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【社説】失敗した北朝鮮のミサイル挑発

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1カ月間ほど国際社会を緊張させた北朝鮮のミサイル発射が失敗に終わった。一度に数億ドルの費用がかかる発射で、北朝鮮住民の1年間の食糧不足分を確保できる資金が消えた。また北朝鮮は金日成(キム・イルソン)出生100周年行事を大々的に行っている。ここにも莫大な費用がかかっている。このように北朝鮮は展示的、政治的な目的のために莫大な費用を注いでいる。残念なことであり、あきれてしまう。

特に、国連安全保障理事会決議1874号を違反したという点で、北朝鮮はミサイル発射失敗で失った費用以上の損害が生じるしかない。北朝鮮に対する国際社会の圧力が強まるからだ。国連安保理が新しい制裁決議を採択するのは難しい見込みだ。しかし北朝鮮を強力に糾弾する内容の議長声明を採択するだけでも、北朝鮮が受ける打撃は少なくない。国際社会での信頼がまた失墜し、これは北朝鮮への人道的支援さえも委縮させるだろう。さらに米国や日本など西側は金融制裁など追加制裁も推進する可能性がある。

金正恩への3代世襲を完成するための労働党代表者会と最高人民会議期間中の「祝砲」として企画されたミサイル発射が失敗したことで、住民に対する指導部の権威も同時に落ちた。「2012年に強盛大国の門を開く」という宣伝と公約が空虚なものであることを見せたからだ。北朝鮮指導部は大きな政治的負担を抱えることになった。20代の青年を最高指導者として行うことがうまく進んでいない。


北朝鮮指導部内で葛藤が生じる可能性も高まった。これは韓半島情勢に悪い影響を及ぼすだろう。軍部を中心にした強硬派は名誉を挽回するためにより強硬な声を出し、若い金正恩は彼らを抑え込むよりも便乗するはずだ。すでに3度目の核実験を準備しているという情報もある。核実験を強行すれば国際社会の圧力はさらに強まり、これを口実に北朝鮮は新たな対南挑発を試みる危険性もある。北朝鮮指導部の葛藤が激しいほど大きな挑発を計画するだろう。政府と国民とも、こうした可能性を十分に警戒して備えなければならない。

一方、北朝鮮が新たに協議に入ろうとする動きもある。金桂寛(キム・ケグァン)外務次官は先月末、米国にミサイル発射後に交渉を再開しようというメッセージを伝えたという。米国政府は北朝鮮の提案を無視する雰囲気だ。したがって当分は米朝関係と韓半島情勢が悪化する可能性が大きい。しかし中長期的には局面転換の可能性も完全に排除することはできない。

北朝鮮ミサイル発射の失敗と核実験の可能性、権力継承などは、すべて韓半島情勢を流動的にする要因だ。こうした要因が極端な危機状況に向かうのを防ぐために、すべての努力を集中しなければならない。ミサイル発射を挑発と規定して糾弾することは必要だ。しかし政府の対応はそれだけで終わってはならない。



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