脱北者の画家ソン・ビョクさんが展示会で絵について説明している。
ソンさんが海外展示を決心したのは、北朝鮮住民に少しでも助けになる道を探すためだ。 ソンさんは「自分一人が自由を満喫するのをいつも申し訳なく感じる」とし「国際社会が北朝鮮住民の切迫した状況を理解して助けてほしいと訴えるために来た」と語った。 このため今回韓国から運んだ絵21点はすべて北朝鮮を素材にしている。
黄海道(ファンヘド)出身のソンさんは脱北するまでの7年間、宣伝ポスターを描いた。 最初は単に空腹を解決するために豆満江を渡ろうとした。 しかし川を渡る過程で父を亡くし、自分も収容所に監禁された。 北朝鮮社会に幻滅を感じたソンさんは02年に脱北に成功した。 韓国に来たソンさんは公州(コンジュ)師範大と弘益(ホンイク)大大学院で東洋画を専攻した。
ソンさんの絵は北朝鮮の疲弊した現実にユーモアを取り入れている。 女優マリリン・モンローのスカートが風で舞い上がる有名な絵。 しかし体の上についた顔はモンローではなく金正日(キム・ジョンイル)総書記だ。 北朝鮮社会を隠そうとする姿をモンローのスカートで形状化した。
またソンさんの絵には軍服を着た兵士がよく登場する。 しかしどの兵士も目を閉じている。 ところが今回初めて公開した作品には、細い目を開いた兵士が登場する。 ソンさんは「北朝鮮住民にもう目を開けろと叫びたい」とし「そういう願いを絵に込めた」と説明した。
ソンさんの次の目標は、世界を回って北朝鮮の人権問題を知らせることだ。 時には身辺に脅威を感じることもある。 しかし苦労して取り戻した芸術魂のため、どんなことでも受け止められるいう。
「そういうことを考えると何もできない。 自分の命、そういうものを恐れれば芸術家であることをあきらめなければいけない。 私は絶対に宣伝ポスターの画家当時には戻らない」。
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