中国峡西省西安市の高新技術産業開発区はまだ雑草が茂った地域だ。 ところが市内のあちこちには「サムスンの半導体工場投資を歓迎する」という文字が見える。 サムスン電子が高新開発区に70億ドルを投じてNAND型フラッシュ工場を建設することにしたからだ。 峡西省政府はサムスン電子工場を誘致するため、用水と物流の問題を解決したほか、工場全域を保税区域に指定し、各種税制および金融支援をする計画だ。 サムスン電子が半導体工場を建設し、160余りの協力会社が入ってくれば、この地域になんと1万件以上の新たな雇用が生じると期待されるからだ。 サムスン電子のような超優良企業の投資を引き込むのは、峡西省だけでなく世界の地方政府の夢だ。
4日、米ニューヨークのメトロポリタンクラブでは、約200人の大物投資家が集まった中、韓国投資説明会が開かれた。 当初は参加者が100人程度と予想されたが、韓米自由貿易協定(FTA)発効を契機に韓国投資に対する米国企業の関心が高まり、参加者が大きく増えた。 この日、現場で6件、計4億2700万ドル規模の投資が約束された。 韓国政府がニューヨークで投資説明会を始めて以来、最高の実績という。 FTAの効果が貿易部門より投資部門で先に表れているということだ。これに先立ち先月21日、韓国・中国・日本は3カ国間の投資保障協定に仮署名した。 韓日中FTAに先立ち、3カ国の企業が領域内投資を活発にできるように投資保障協定をまず締結することにしたのだ。 投資保障協定は外国に投資する企業が安心して投資をできるように、その権利を国家間協定で保護しようというものだ。 ここには韓米FTAの投資関連条項とほぼ同じ内容の投資家-国家訴訟制度(ISD=Investor-State Dispute)が入っている。 野党と一部の市民団体が韓米FTAの代表的な毒素条項だと主張した、あのISDのことだ。
総選挙を控えて民主統合党と統合進歩党は総選挙連帯公約に韓米FTA廃棄を掲げて、これを念押しした公開書簡を米国の大統領に送った。 これが総選挙の民心の逆風を受けると、民主党は廃棄ではなく再再交渉と言いながら後退したが、公式的に廃棄公約を撤回したのではなかった。 進歩党はそのまま韓米FTA廃棄を核心公約として前面に出した。 ISDは、野党が韓米FTA廃棄の最も重要な論拠に挙げる条項であるだけに、果たしてどれほど深刻に国益を害するのか改めて確かめる必要がある。
ISD条項は、韓米FTA発効後3カ月以内に「サービス・投資委員会」を通じて再協議ができるという方針に基づき、現在、官民専門家委員会で検討作業に取り組んでいる。 ISDに関して提起された問題点は多いが、概して「韓国の主権を侵害するおそれがある」というものに要約できる。 米国の投資家が韓国政府を相手に国際機構に仲裁訴訟を提起できるようにするため、行政府はもちろん司法府の権限までも損なわれるということだ。 韓国の国民は「主権侵害」といえば、なかった愛国心まで湧き出てくるほど敏感だ。 忘れる頃になると出てくる日本の独島(ドクト、日本名・竹島)領有権挑発に対する国民的な公憤がそうであり、米国産牛肉の輸入が「国民の健康主権侵害」という扇動的な主張に少なくない市民がろうそくデモに合流したのもそうだ。 独島問題に対する国民的な反発は「主権侵害」に対する当然の憂慮だが、牛肉ろうそくデモは「主権侵害」に対する根拠のない怪談に幻惑されたものだった。 韓国の国民は「主権」に関する限り、理由に関係なく特に敏感であることは間違いないようだ。
ではISDはどうか。 実際、投資をする側はできるだけ保護のレベルを高めようとし、投資を受ける側ではあまり高めたくないのが普通だ。 ISDはその妥協の歴史的な産物だ。 その間、数多くの自由貿易協定や投資保障協定を経て、国際的にほぼ標準化された投資紛争調停制度として定着したのがISDだ。 このため韓日中投資保障協定をはじめ、全世界の各国が結んだ約2600件の投資保障協定、約300件のFTAには、ISDが含まれている。 韓米FTAのISDが一方的な主権侵害だと断定できない理由だ。 特に外国人投資の誘致は各国政府が精魂を込めて推進する核心的な政策になり、外国人投資に対する保護装置はむしろ強化される傾向にある。
さらに韓国のように海外に出る投資が国内に入る投資より多い国の立場では、投資に対する保護レベルをさらに高めることが国益につながる。 実際、韓国の直接投資の流出入を見ると、この数年間は一貫して海外投資が国内に流入する外国人投資に比べてはるかに多い。 なら海外に出る国内資本を保護するのはもちろん、国内に外国人投資をより多く引き込むためにも、投資の保護レベルを高めるのが国益に有利ではないのだろうか。 ISDは主権の問題ではなく国益の問題だ。
4日、米ニューヨークのメトロポリタンクラブでは、約200人の大物投資家が集まった中、韓国投資説明会が開かれた。 当初は参加者が100人程度と予想されたが、韓米自由貿易協定(FTA)発効を契機に韓国投資に対する米国企業の関心が高まり、参加者が大きく増えた。 この日、現場で6件、計4億2700万ドル規模の投資が約束された。 韓国政府がニューヨークで投資説明会を始めて以来、最高の実績という。 FTAの効果が貿易部門より投資部門で先に表れているということだ。これに先立ち先月21日、韓国・中国・日本は3カ国間の投資保障協定に仮署名した。 韓日中FTAに先立ち、3カ国の企業が領域内投資を活発にできるように投資保障協定をまず締結することにしたのだ。 投資保障協定は外国に投資する企業が安心して投資をできるように、その権利を国家間協定で保護しようというものだ。 ここには韓米FTAの投資関連条項とほぼ同じ内容の投資家-国家訴訟制度(ISD=Investor-State Dispute)が入っている。 野党と一部の市民団体が韓米FTAの代表的な毒素条項だと主張した、あのISDのことだ。
総選挙を控えて民主統合党と統合進歩党は総選挙連帯公約に韓米FTA廃棄を掲げて、これを念押しした公開書簡を米国の大統領に送った。 これが総選挙の民心の逆風を受けると、民主党は廃棄ではなく再再交渉と言いながら後退したが、公式的に廃棄公約を撤回したのではなかった。 進歩党はそのまま韓米FTA廃棄を核心公約として前面に出した。 ISDは、野党が韓米FTA廃棄の最も重要な論拠に挙げる条項であるだけに、果たしてどれほど深刻に国益を害するのか改めて確かめる必要がある。
ISD条項は、韓米FTA発効後3カ月以内に「サービス・投資委員会」を通じて再協議ができるという方針に基づき、現在、官民専門家委員会で検討作業に取り組んでいる。 ISDに関して提起された問題点は多いが、概して「韓国の主権を侵害するおそれがある」というものに要約できる。 米国の投資家が韓国政府を相手に国際機構に仲裁訴訟を提起できるようにするため、行政府はもちろん司法府の権限までも損なわれるということだ。 韓国の国民は「主権侵害」といえば、なかった愛国心まで湧き出てくるほど敏感だ。 忘れる頃になると出てくる日本の独島(ドクト、日本名・竹島)領有権挑発に対する国民的な公憤がそうであり、米国産牛肉の輸入が「国民の健康主権侵害」という扇動的な主張に少なくない市民がろうそくデモに合流したのもそうだ。 独島問題に対する国民的な反発は「主権侵害」に対する当然の憂慮だが、牛肉ろうそくデモは「主権侵害」に対する根拠のない怪談に幻惑されたものだった。 韓国の国民は「主権」に関する限り、理由に関係なく特に敏感であることは間違いないようだ。
ではISDはどうか。 実際、投資をする側はできるだけ保護のレベルを高めようとし、投資を受ける側ではあまり高めたくないのが普通だ。 ISDはその妥協の歴史的な産物だ。 その間、数多くの自由貿易協定や投資保障協定を経て、国際的にほぼ標準化された投資紛争調停制度として定着したのがISDだ。 このため韓日中投資保障協定をはじめ、全世界の各国が結んだ約2600件の投資保障協定、約300件のFTAには、ISDが含まれている。 韓米FTAのISDが一方的な主権侵害だと断定できない理由だ。 特に外国人投資の誘致は各国政府が精魂を込めて推進する核心的な政策になり、外国人投資に対する保護装置はむしろ強化される傾向にある。
さらに韓国のように海外に出る投資が国内に入る投資より多い国の立場では、投資に対する保護レベルをさらに高めることが国益につながる。 実際、韓国の直接投資の流出入を見ると、この数年間は一貫して海外投資が国内に流入する外国人投資に比べてはるかに多い。 なら海外に出る国内資本を保護するのはもちろん、国内に外国人投資をより多く引き込むためにも、投資の保護レベルを高めるのが国益に有利ではないのだろうか。 ISDは主権の問題ではなく国益の問題だ。
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