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【社説】少子化解消は仕事と家庭の両立が答えだ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国の出生率は世界最低だ。世界222カ国のうち217位だ。女性1人が一生の間に産むと予想される子どもの平均は昨年1.24人にすぎなかった。結婚と妊娠、出産を忌避する女性たちが増えたのが最大の理由だ。結婚を遅らせようとする。結婚しても妊娠と出産を先送りし、出産してもできるだけ子どもの数を少なくしようと努力する。それでも女性のせいにはできない。妊娠と出産で働く女性が受ける被害が莫大なためだ。一度考えてみるべきだ。世界で最も長い労働時間で子どもを育てやすいだろうか。妊娠と出産を不満な視線で眺める組織が大半ではないのか。昇進が適時に行われず考課も悪く与えるのが韓国の組織風土だ。さらに辞職勧告も頻繁だ。大変な思いをしながら持ちこたえる女性たちも子どもが小学校に入る年齢になれば概ね職場を辞めるのはそういう理由だ。女性の中でも妊娠、出産、子ども養育期間に当たる30~44歳の経済活動参加率が特に低い理由だ。

事情がこうであれば少子化対策の核心は女性たちが仕事と家庭ともに専念できる勤務環境の造成だ。1日平均12時間に達する世界最長の労働時間を短縮しなければならない。少なくとも子どもを育てる時だけは休職期間を十分に与えなければならない。子どもを育てながら働けるように勤務時間を柔軟に調整する柔軟勤務制も積極的に施行されなければならない。政府は事案の深刻性を認識してすでにそのような計画を組んでいる。昨年から始まった第2次少子高齢化基本計画の核心が仕事と家庭の両立の日常化だ。

問題は企業だ。政府がいくら政策をうまく立てても企業が実行しなければ全く意味がない。しかし仕事と家庭の両立を施行する企業は珍しい。それだけ費用がかかる上、休職や柔軟勤務制をうらめしがる組織文化のせいだ。このような点から最近これを施行する企業が増加しているのはうれしく幸いだ。サムスン電子は遠隔勤務が可能なようにスマートワークセンターを設立し通勤時間を大幅に減らした。12歳以下の子どもを育てる社員は最大1年ほど休職できる育児休職制も施行している。KTもスマートワークセンターを開設したし、多国籍製薬会社の韓国リリーもやはり2005年から柔軟勤務制と在宅勤務制を始めた。政府官庁では特許庁が最も活発だ。時差出退勤制と在宅勤務制を始めて10年を超えた。しかしまだヨチヨチ歩きの水準だ。欧州や米国はもちろん日本よりも遅れをとっている。日本のソニーはサムスン電子よりしっかりしている。1年6カ月以上使える育児休職はもちろん1日6時間だけ働く短時間勤務制と在宅勤務が日常化されている。


しかし制度さえない企業がまだ大半だ。女性政策研究院によれば柔軟勤務制と育児休職制を導入した企業はそれぞれ20%と50%水準だ。さらに大きな問題は制度が導入されている企業も利用率が非常に低いという点だ。育児休職制度が導入されたが実際に使った経験があると答えた社員は10人中1人にもならない。柔軟勤務制は100人中2人の割合だ。企業はコストがかかるという理由で導入を敬遠する。導入した企業も昇進や人事考課の差別は相変わらずだ。社外で仕事をしたり、定時退社するという理由で不利益を与える企業文化の中でこの制度を使う大胆な社員は多くない。

いまは認識が変わらなければならない。仕事と家族の両立支援が企業の成果を高めるというのは外国ですでに立証された。業務満足度を高め、離職率を低くし、生産性を高めるためだ。その上雇用も大幅に増やす。労働勤労時間が短縮されればそれだけ雇用が増える。問題はどのようにするのかだ。負担が大きい中小企業は政府支援が当分必要だろう。企業も育児休職や柔軟勤務制を使った社員が人事上の不利益を受けないよう評価システムを変えなければならない。少子化問題を解消しなくては未来を期待するのは難しい。長時間勤務の慣行を変えずには経済協力開発機構(OECD)会員国で最下位の生産性と雇用率を絶対に高めることはできない。仕事と家庭の両立で解決しなければならない。このための金は費用でなく未来のための投資だ。政府と企業の認識が変わらなければならない。



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