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【噴水台】前線に春は来たが北の挑発可能性で天気はまだ冬だ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
前線にも春がきた。レンギョウやツツジはまだ見られないがちらほらと緑が芽吹いている。鉄条網の向こう側の非武装地帯を横切る漢灘江には水が流れ、冬ごもりから目覚めた茶色い茂みは伸びをしている。遠からず草木は服を着替え、山河を青く染めるだろう。

久々に最前方を訪れた。竜山(ヨンサン)から飛び立ったブラックホークヘリは330メートルの高度を維持し低く飛び25分で「鉄の三角地」が見える最前方の鉄条網の前に爽やかに下りた。韓国戦争当時最大の激戦地のひとつだった所だ。10日の間に高地の主人が24回も変わるほど奪い奪われる攻防が激しかった。映画「高地戦」の舞台でもある。ここを守る白骨部隊のスローガンは「守死不敗」。守って死んでも敗北はないという鋼のような決意が感じられる。

軍事境界線と南方限界線の間にある南側非武装地帯のあちこちにコンクリートで作った韓国軍GP(Guard Post・要塞陣地)が見える。向かい側にある北朝鮮軍GPの動きを監視し、有事の際に第一線で敵の攻撃を防ぐ所だ。完全武装した20代初めの兵士らが国を守るとして輝いた目をして立っている。大学1年を終えて入隊した兵士がほとんどだ。めがねをかけた兵士たちが多く見える。息子くらいの彼らのあどけない姿になぜか目がしらが熱くなる。GP勤務は1年単位で交代する。一度GPに入れば敵と向き合ったまま四季を過ごさなければならない。


最前方だが兵士たちの宿舎は最新式だ。コンドミニアムや大学寄宿舎のようだ。内務班の寝床は昔話で、全員1人用ベッドで寝る。トイレは水洗式で、風呂場では温かいお湯が出る。休憩室には本とコンピュータが置かれている。インターネットで家族と画像通話をして、フェースブックをしたりもする。施設は見違えるように変わったが彼らが使う武器や装備は必ずしもそうではない。さらに第2次大戦や韓国戦争の際に米軍が使ったものなどもある。曲射砲の精度を高めるためには携帯用無人機(UAV)の確保が至急だが予算不足でできずにいる。夜間戦闘に必要な夜間透視鏡も予算がなく1人にひとつずつ与えられない状態だ。北朝鮮軍は全員が持っている。

北朝鮮の長距離ロケット発射が差し迫りながら韓半島に緊張が漂っている。すべての国が口をそろえて自制を要求しているが北朝鮮は馬耳東風だ。北朝鮮が打ち上げる「光明星3号」が「サラエボの銃声」になることはないだろうが、北朝鮮の挑発に対する対応をめぐりしばし国際社会が騒々しくなった。緊張が高まれば事態がどこへ向かうかわからないものだ。前線の兵士たちはいまこの瞬間にも北側を注視して警戒を緩めずにいる。前線にも春はきたが天気はまだ春でない。



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