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【社説】韓国の原発事故は歪んだ政策が原因

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
古里(コリ)原発1号機事故の真相が徐々に表れている。 原子力安全委員会が調査した結果、非常発電機が作動不能の状況で原子炉が稼働し、核燃料取り替え作業まで強行したことが明らかになった。 ずさんな点検や記録操作など追加隠蔽事例も続々と確認されている。 これを受け、監査院の監査と検察の捜査は避けられなくなった。 また政府は24時間遠隔監視システムを構築し、原発駐在員と原発検査項目を増やすことにした。 しかし関係者の処罰と精神再武装で安全が確保されるわけではない。 もっと根本的な問題が隠れているからだ。

昨年9月のブラックアウト(停電事態)と先月の原発事故、そして最近の火力発電所火災の共通分母は設備の老朽化だ。 急増する電力需要に対応するために無理に古い設備まで稼働し、事故が頻発しているのだ。 政府と韓国水力原子力は「韓国の原発稼動率はほぼ100%で、故障停止率は年間0.1件にすぎない」と自慢してきた。 逆に言えばそれだけ無理に稼働しているということだ。 生産性を過度に強調するため、少しでも異常があれば原発を停止しなければならないという「安全第一主義」が薄れていく。

その間、政府は電気料金をコスト以下に抑制し、発電関連公企業が効率的に経営するよう圧力を加えてきた。 公企業は苦痛が伴う賃金削減よりも、維持・保守費用の削減を選択する方向に追い込まれた。 韓電の電気施設修繕維持費は08年の9587億ウォン(約750億円)から2010年には8334億ウォンと、毎年600億ウォン以上減らしている。 実際この3年間、韓電は4兆5000億ウォンのコスト削減を実現した。 言い換えれば、それだけ維持・保守がずさんになり、事故の可能性が高くなったということだ。


金双秀(キム・サンス)元社長は何度か「このままだと事故が発生する。産業用を中心に電気料金を上げる必要がある」と警告した。 発電所の実務者の間でも「設備が古くて危険」という言葉が公然と出ている。 今回事故が発生した古里1号機の非常発電機は34年も経った設備だった。 火災が発生した火力発電所の保寧(ボリョン)1号機も28年経った。 33年の蔚山火力5号機は火力発電所の平均設計寿命30年を超えている。 電力の需要は増える半面、新規発電所の建設は現地住民の反対にぶつかるため代案がない。 このため、保寧火力1・2号機や蔚山の嶺南(ヨンナム)発電所のように老朽発電所の寿命を延長する無理な方法が動員されるのだ。

原発事故は数人の実務者を処罰し、安全不感症を治癒したからといって解決する問題ではない。 歪んだ電力政策から正す必要がある。 人為的に低く設定した電気料金を正常化し、住民を説得して新規発電所も着実に増やしていかなければならない。 維持・保守費用も削減対象ではなく安全のための投資だ。 現在稼働中の設備を十分に維持・保守し、寿命になれば果敢に停止させなければならない。 いま私たちは危険な爆弾を抱えて暮らしているようなものだ。 赤信号が灯っただけに、無理な運行はやめて整備と保守に目を向ける必要がある。



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