問題はその財源をどのように調達するかだ。福祉を増やそうとするなら誰かがより多くのお金を出さなければならない。現世代がより多く出すこともでき、国債を発行して未来世代に多く負担させることもできる。現世代が負担するといっても、誰がどれだけ多く出すべかの問題は依然として残る。こうした点で今回の調査で表れた国民福祉意識に懸念すべきところも少なくない。「福祉拡大のために税金をより多く出さなければならない」と言いながらも、その財源は私ではなく、金持ちが出すべきと考えているためだ。10人中8人が「高所得層の税金負担が低い」と考えていた。これに対し「福祉のために税金をより多く出す用意はあるか」という質問には否定的だった。
こうした認識は問題がある。何より金持ちの税負担がいまでも大きいという点だ。全労働者の40%は勤労所得税を払わない。中間層の40%が出す税金も税収全体の5%にすぎない。20%の高所得層が勤労所得税の95%を負担しているのが実情だ。法人税も同様だ。こうした状況で1%の金持ちと大企業だけに税金をもっと増やせという要求は、ややもすると租税抵抗と税金逃れ、富の海外移転を触発しかねない。
こうした認識は問題がある。何より金持ちの税負担がいまでも大きいという点だ。全労働者の40%は勤労所得税を払わない。中間層の40%が出す税金も税収全体の5%にすぎない。20%の高所得層が勤労所得税の95%を負担しているのが実情だ。法人税も同様だ。こうした状況で1%の金持ちと大企業だけに税金をもっと増やせという要求は、ややもすると租税抵抗と税金逃れ、富の海外移転を触発しかねない。
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