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【現場から】原発事故より怖いのは嘘だった=韓国・古里

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
釜山市機張郡(プサンシ・キジャングン)古里(コリ)原発。ここでは最近、防壁を高める工事が行われている。津波が押し寄せても問題が発生しないように、古里1-4号機前の海岸防壁を現在の7.5メートルから10メートルに高める工事だ。

先週、記者が現場を訪問した際、韓国水力原子力(韓水原)の関係者は「今の防壁でも十分だが、国民を安心させるためにする」と語った。5年間に韓水原は原発安全のために1兆1000億ウォン(約800億円)を注ぎ込む計画だ。

しかし原発事故より恐ろしい敵は防壁の外側ではなく内側にあった。それは隠蔽と嘘という敵だ。先月9日、古里1号機で電源供給が12分間にわたって途絶える事故が発生した。100歩譲ってそこまではやむを得ないとしよう。問題は次だ。発電所の職員らはこれを1カ月間も隠していた。永遠に伏せられることも十分にあり得た。釜山市議会のキム・スグン議員が偶然、事故の話を聞いて確認したことで、初めて真相が知らされた。韓水原社長も原子力安全委員会も知らなかったという。現場に監視人材を派遣していたにもかかわらずだ。


なぜこういうことが起きたのか。事故が発生した先月9日を振り返ってみよう。この日午前、知識経済部と韓水原は原発故障防止対策を発表した。目標は「故障ゼロ」、方法は「厳罰」だった。作業者の過失を重く処罰し、機関長の評価にも反映するという制裁の内容が中心だ。日本福島原発事故から1年を迎えて不安が高まっているうえ、核安全保障サミットも目の前で迫っている時期だ。業界関係者は「すぐに効果を出すために問責中心の高強度対策を出した」と話した。

同日午後8時34分。古里原発1号機の電気が途絶えた。現場でこれを見ていた職員は60-100人。しかしこの事故は1カ月以上も伏せられた。金鍾信(キム・ジョンシン)韓水原社長は「事故防止を念押ししたその日に問題が発生し、職員が慌てるばかりで時間が過ぎていったようだ。そのうちに内部の情報提供があって外部に知らされた」と述べた。

業界関係者は「原発の故障は年間7、8回ほど発生する」とし「無条件にゼロにしろと圧迫すればこういうことが起こる」と語った。原発は内部に入ろうとすれば、二重、三重の厳格な保安点検を受けなければならない。職員が口を閉じれば、その中で何が起きているのか外部では分かりにくい。問題を隠して縮小したいという誘惑はいつ生じてもおかしくない。

昨年4月もそうだった。3号機の停電で非常発電機が作動した。古里原発側は「電気系統の異常」という言葉で済ませた。記者らが追及すると、ようやく整備職員の過失を認めた。事故から9時間が過ぎた後だった。

洪錫禹(ホン・ソクウ)知識経済部長官は14日、国民に謝罪した。関係者を厳重問責するとも述べた。韓水原社長も「責任を取るべきことは取る」と語った。問題の根本である原発運営の不透明性はそのままで、「問題発生-責任追及」という図式を繰り返したのだ。これでは次に同じことが起きないという保証はない。ソウル大の黄一淳(ファン・イルスン)教授(原子核工学)は「安全設備というハードウェアに劣らず、透明性確保のためのソフトウェアの用意が切実に求められる」と述べた。



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