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【社説】韓米FTA破棄、国民審判を受けよ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓明淑(ハン・ミョンスク)民主統合党代表が「韓米FTA(自由貿易協定)に沈黙したり擁護したりする勢力に政権を任せることはできない」と述べた。就任1カ月を迎えて、15日に行った記者会見でだ。朴槿恵(パク・クネ)セヌリ党非常対策委員長が13日、党全国委員会で「選挙で勝てばFTAを廃棄すると主張する人たちに国を任せることはできない」と述べたが、これを念頭に置いての発言だ。

民主統合党はすでに韓米FTA廃棄を公言し、公開書簡でこれを米大統領に通知している。今回、韓代表がこれを確認する発言をし、民主党は韓米FTAを今回の総選挙と大統領選挙の核心争点とする意志を明確にした。それなら民主党はこの際、韓米FTA破棄を公式に党の最優先公約に掲げて、今回の総選挙と大統領選挙で国民の審判を受けるべきだ。政治的な修辞や扇動的なスローガンをやめて、なぜ韓米FTAを破棄するのか、国民を説得する必要がある。

その場合、民主統合党はまず、自らが継承するという盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時に妥結した韓米FTA交渉に対する立場から明らかにしなければならない。FTA自体に対する立場が変わったのか、それともFTAは賛成するが妥結内容に不満があるということなのかを明確にするべきだ。韓代表の発言には2つの判断がもつれているように見えるからだ。韓代表は「韓米FTAは盧武鉉政権から始まったが、今はその内容と状況が変わった」と述べた。これだけなら、盧武鉉政権当時は韓米FTAをするべきだったが、状況が変わったので今はする必要がなくなったという意味に聞こえる。しかし韓代表はまた、「李明博(イ・ミョンバク)政権の韓米FTAは屈辱的な外交交渉で作られ、国会を強行処理で通過した」とし、妥結内容と批准手続きを問題視している。盧武鉉政権のFTAはよかったが、それを李明博政権が傷つけたということだ。では、なぜ盧武鉉のFTAに対して再協議を要求したのかという点から答える必要がある。次に再協議の結果が協定を破棄するほど深刻な国益の損失かどうかを具体的に説明しなければならない。また、ほとんど同じレベルで妥結した韓・EU(欧州連合)FTAには一言も反対はないが、唯一、韓米FTAだけは強く拒否し続けている理由についても詳しく説明することを望む。


民主党は韓米FTA破棄を公言した以上、国民にその理由と根拠を説明する義務がある。多数決の原則に基づく民主的な意思決定を否定し、国際協定を一方的に破棄することによる国格の毀損と国益の損失についても立場を明らかにしなければならない。もう国民は「屈辱外交」「売国」などの扇情的な言葉だけでは韓米FTAの破棄にうなずかない。民主党が本当に総選挙と大統領選挙の勝利を主張する政権継承政党なら、政略的な利害ではなく、韓米FTAに対する誠実な立場表明が必要な時だ。



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