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【社説】大統領の重い責任、軽い存在感

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
李明博(イ・ミョンバク)大統領が中東3カ国歴訪を終え帰国し、金孝在(キム・ヒョジェ)青瓦台(チョンワデ、大統領府)政務首席秘書官の辞表を11日に受理した。2008年にハンナラ党(現セヌリ党)党大会当時の買収疑惑に対する責任を問うものだ。買収疑惑が起きて36日が過ぎてからだ。タイミングを逸した。すでに辞任した朴ヒ太(パク・ヒテ)国会議長と金首席秘書官に対する司法処理がなされる場合、李明博政権は大きな道徳的傷を負うだろう。

買収事件当時、金首席秘書官は政務首席秘書官ではなく国会議員の身分だった。だからと言って青瓦台の責任が軽減されるものではない。ただちに真相を把握して真実を明らかにすべきだった。黙認して握りつぶしながら時を過ごし、世論が沈静化することだけを望んだという疑問は消し難い。はっきり調べれば選挙管理委員会ホームページに対するDDoS攻撃事件、内谷洞(ネゴクトン)私邸敷地買い入れ事件、崔時仲(チェ・シジュン)放送通信委員長の側近不正事件など、民心を揺るがしたすべての事件が李明博大統領、そしていわゆる親李明博系統が関連している。それでも李大統領は自分に何の関係もないかのように口を閉じ、傍観しているような感じを与える。国民がさらに腹が立つ理由だ。

任期最後の年、いわゆるレームダック(死に体)に対する李大統領の考え方も懸念される。李大統領はこれまで、「(われわれは)道徳的に完ぺきな政権。任期最後までしっかりと仕事をする」と念を押してきた。こうした考えは現実とはとてもかけ離れている。不正が起き続けているのに最後まで熱心にしようという自己暗示だけして何が解決されるのか。国民は李大統領にどのようにするのかと尋ねているのに、本人は知らないふりをしたり、「人のせい」で一貫していないか。1987年の大統領直接制以後、盧泰愚(ノ・テウ)、金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が執権したが、全員5年目にレームダックに陥った。5年単任制の運命なのかもしれない。


国政を運営する政治行為は企業を経営するのとは全面的に違う。3選を狙うプーチン首相がロシア経済の好況にもかかわらず「現代版ツァーリ」という批判を受けているのを見ると、政治リーダーと国民の間には永遠の緊張関係が存在する。4年再任制の歴代米国大統領もレームダックの苦しみを避けることはできなかった。李大統領にはこれから1年余りの時間が残っている。短いが長い時間だ。席から退く時までは誰が何と言っても大統領だ。それなら最後の瞬間まで与えられた責任を全うしなければならない。

青瓦台はこのところ野党連合勢力の韓米自由貿易協定(FTA)破棄の主張に沈黙している。無気力に引かれて行っている。未来の国益と関連したこうした問題に対し国民に訴え、最善を尽くして防ごうとする姿さえ見せられずにいる。腐敗には断固として、国益には落ち着いて対応しなければならない。FTA問題にまで腕組みをするならば李明博政権には残るものがない。李大統領はいまからでも初心に帰って国政哲学を明確にしてくれるよう願う。



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