１日、韓国の１月の貿易収支が赤字に転じたことが伝えられた直後、ソウル外国為替市場はすぐに反応した。前日１ドル＝１１２３．３ウォンで取引を終えた韓国ウォンはあっという間に１ドル＝１１３０ウォン台に値下がりした。その後「２月には黒字に反転するだろう」という政府の見通しが伝えられ、輸出業者もドル売りに出たことで、この日、１ドル＝１１２６．３ウォンまで値を戻して取引を終えた。

外換銀行の外為ディーラーは「赤字幅が２けたになるとは予想できず、市場にやや衝撃があった」とし「今後さらに状況を見なければならないが、貿易収支は当分、ウォン高への動きを抑える役割をするだろう」と述べた。

このように輸出と貿易収支は敏感な指標だ。何よりも外貨の流動性と直結しているため、外為市場に直接影響を与える。海外も注目している。代表的な輸出主導型経済である韓国の貿易の成績表は世界景気の流れを表す「バロメーター」の役割をするからだ。洪錫禹（ホン・ソクウ）知識経済部長官が先月中旬の国務会議の発言で、異例にも貿易収支の赤字転換の可能性を予告したのも、市場の心理的な衝撃を減らそうという試みと解釈されている。


政府もこの指標を重視している。知識経済部の関係者は「一例として、朴正煕（パク・ジョンヒ）元大統領時代以降、休日かどうかに関係なく毎月１日に輸出入動向を発表する伝統は一度も変わっていない」と述べた。昨年１２月分の資料も休日だった今年１月１日に発表された。消費者物価指数・産業活動動向など定期的に算出される他の主要経済指標の場合、休日を避けて発表日程が調整されるのとは対照的だ。

政府は今年の貿易収支の黒字規模を２５０億ドルと予想している。昨年の３３０億ドルを大きく下回る。輸出増加率も昨年の１９．６％から今年は６．７％に低下すると見込んでいる。