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【社説】「いまでも目を開けて寝る」というサムスン電子

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
サムスン電子の崔志成(チェ・ジソン)副会長は人文系出身だ。歴代のサムスン電子代表理事は理工系出身だった。彼が李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長に自身の抜てき理由を尋ねたという。「あなたは文科出身じゃないか…」の一言だけだった。当時サムスン電子はアップルのiPhoneに完全に圧倒された。いまは技術を超えて創意性とソフトウェアが重要だという李会長の判断が文科出身代表を選んだ背景だ。以後李会長は直接本社に出勤して事実上の戦争を宣言した。崔代表はソフトウェアに集中してギャラクシーシリーズを出し始めた。

その後のサムスン電子の実績は驚異的だ。昨年の携帯電話販売額で万年1位だったノキアを抜いた。スマートフォンもアップルを上回り始めた。164兆ウォンの売上と16兆ウォンの営業利益を上げたサムスン電子は世界最大のIT企業になった。厳しい環境でも半導体とLCDが着実に黒字を出した上、ギャラクシーシリーズが1等功臣役をやり遂げた。

だが、世界1位もうとうとすれば死ぬ世界だ。スマートフォンを怠けたノキアは1日で合併・売却の対象に転落した。ソニーも収益構造だけみればこれ以上電子会社ではない。生命保険で残したお金で電子部門の大規模赤字を埋める身になった。わずか10年で起きたことだ。一昨日サムスン電子の崔副会長は、「常に起きていようと努力する。いまもほとんど目を開いて寝る」と話した。われわれすべてが十分にかみしめなければならない話だ。「ノキアにも勝った」という慢心を警戒し緊張のひもを解かないことだ。


韓国社会には大企業に対する嫉妬が蔓延している。むしろこうした時ほどよそ見をせずに本業に集中することが重要だ。優れた経営能力と危機意識でさらに立派な業績を出さなければならない。未来に対応した新産業も着実に展開しなければならないだろう。欧州の財政危機国の共通分母は福祉ポピュリズムだけでなく競争力を持つ世界的企業がないという点だ。食べていけるものがあってこそ国が正常に回っていく。その中心が企業だ。したがってサムスン電子・現代自動車・LG・ポスコのような世界一流会社が今後も前に立って進まなければならない。それが企業報国、韓国社会のための道だ。



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