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【社説】国の未来がかかった韓中FTA

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓中首脳会談で、両国間の自由貿易協定(FTA)交渉開始に向けたの国内手続きを開始することで合意した。FTAの話が出てから8年目だ。積極的なのは中国だ。韓国に来た中国の指導者らは「求同尊異」(違いを知った上で一致を求める)を注文しながら、FTA早期着手を要求してきた。すでに中国はASEAN・台湾・シンガポールなどの周辺国とFTAを通して中華経済圏の構築を図っている。ここに米国・欧州連合(EU)とFTAを結んだ韓国を引き込めば、欧米市場へのう回輸出を増やせるというのが中国の計算だ。

相対的に慎重だった李明博大統領も「今は両国が‘開かれた貿易大国’の道を進むべき」として積極的な立場に転換した。これには経済的な実益に加えて、2つの判断が作用したとみられる。まず、韓中FTAが中国の一方的な「平壌(ピョンヤン)びいき」に制約を加え、北朝鮮の無謀な軍事挑発を抑制するという安保的な側面だ。現政権としては、韓中FTAまで締結すれば、世界3大市場をつなぐ‘経済領土拡張’政策の完結版という意味を持つ。

中国はG2の強大国であり、韓国の最大貿易国だ。国交正常化から20年間、経済的分業と補完構造は両国に大きな利益をもたらした。韓中FTAが発効すれば、国内総生産(GDP)を2.72%増やし、韓米FTA(0.56%)や韓・EU間FTA(1.02%)の効果を上回るという研究結果も出ている。したがって韓国が韓中FTAを拒む理由はない。むしろ韓国の未来のためにも積極的に推進する必要がある。韓米FTAが韓米同盟をさらに強めたように、韓中FTAは韓半島の安定に強力なテコとして作用する。また、韓中日経済共同体に進むには必ず通らなければならない道程だ。


しかし韓中FTAは非常に大きな破壊力を帯びている。中国から低価格の商品が関税なしに流れ込めば、農水畜産業や零細中小企業に莫大な被害が生じるのは明白だ。直撃弾を受ける。さらに中国は韓国が先を進む金融、知的財産権、サービス分野では開発途上国待遇を要求し、開放に難色を示す可能性もある。したがって韓中FTAは十分な検討と準備をした後、慎重に接近しなければならない。本格的な交渉は次の政権に譲るという覚悟が必要だ。現政権が業績主義にとらわれて拙速交渉をすれば、韓米FTAろうそくデモ以上の禍を残すことになるかもしれない。

すぐに韓中間で高いレベルの包括的なFTAを締結するのは無理だ。敏感性品目は開放の例外または開放猶予とする低いレベルのFTAが代案となるだろう。またFTAは単なる両国政府間の協定でない。むしろFTAは対内交渉が9割、対外交渉が1割という事実を記憶しておかなければならない。まずは被害階層の声を十分に聞いて、国民的な共感形成に力を注ぐ必要がある。韓中FTAは国の未来がかかっている。高度な戦略のもと、着実に進行していかなければならないことは言うまでもない。



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