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【社説】なにが真の学生人権なのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
クラスメートから9カ月にわたり暴行と恐喝に苦しめられた大邱(テグ)のある中学2年生の生徒が20日に命を絶った。死亡した学生は遺書で、「毎日食べるものがなくなり、家にきて私をいじめた。ラジオ線を抜いて私の首に縛り引っ張っていきながら(菓子の)破片を拾えと言い、水で拷問して、笛で叩き、あらゆる雑用と宿題をさせられた」と告発した。警察の調査の結果、加害学生は多いときには1日数十件の文字メッセージを送って脅迫していたことが明らかになった。あまりにも衝撃的だ。

学校は今年3月初めから2回にわたり校内暴力に関するアンケート調査をしたがこうした事情はわからなかったという。両親もやはり息子の苦痛を知らなかった。遺書に書かれた通り、報復されるかと恐ろしく訴えることができなかったためだ。

大邱市のウ・ドンギ教育長は、「大邱地域すべての学生を対象に校内暴力やいじめなど生活実態把握のためのアンケート調査を始めた」と話した。また、「徹底して多様な申告システムで学校内外の暴力をなくし、申告に対する恐れをなくせるよう司法当局と協力する」と強調した。だが牛を失ってから牛小屋を直す(後の祭り)というものだ。実効性がどれだけあるかも疑問だ。より根本的な原因を探し対策をまとめなければならない。


何より最近学校が教育的や情操的にあまりにも荒廃していて残念だ。学校と教師は学生たちが思う存分知識を練磨して、友人らと元気な人間関係を結んで、立派な社会人として生きていく支度ができるよう助けなければならない。どれだけその本来の任務に忠実なのか疑問だ。その上最近では進歩とか保守とかいう大人たちの対立で学校が政治的対決場所に変わっていきつつあり極めて懸念される。

少し前に京畿道九里(キョンギド・クリ)のある私立中学教師は「教会長老です。代表的な親米主義者です…」などと挙げた後、「李承晩(イ・スンマン)大統領」という答を要求する国史試験問題を出して物議を呼んだ。このように教師の生半可な価値観を正義と歴史の名前を盾にしてむちゃくちゃに学生たちに注入しようとする事例は少なくない。

ソウルではまた、同性愛差別を禁止し、妊娠または、出産を理由に差別受けてはならず、集会の自由を保障しなければならないという学生人権条例をめぐり教師と学校、学校と父兄間の対立と議論が絶えることなく続く。

人権は人間の普遍的権利だ。だが、いま韓国社会で真の学生たちの人権が果たして集会の自由、同性愛差別禁止なのか疑問を感じる。友人らのいじめに勝てないで自殺までして、いじめのために学校に行くことができず、授業時間が苦痛だという学生たちが多い。学校現場を正常にするというのが果たしてどんなものなのか、真の学生たちの人権はどこから保障されなければならないのか、深い覚醒が必要だ。



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