韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は22日、朴槿恵(パク・クネ)ハンナラ党非常対策委員長、元恵栄(ウォン・ヘヨン)民主統合党共同代表らに会った席で、「北朝鮮を敵対視しないということを北朝鮮に見せる」と述べた。弔意を表し、一部の弔問団の訪朝を認め、弔電発送をすべて認めるという措置に関する説明だ。李大統領は「以降、対北朝鮮関係についてはいくらでも柔軟にする余地がある」とも述べた。青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者は、韓国哨戒艦「天安(チョンアン)」・延坪島(ヨンピョンド)事件の謝罪問題に関しても、「北朝鮮が非核化にどういう立場を見せるかによって、私たちの立場を決める幅が広まった」と述べ、政府が金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去をきっかけに柔軟な対北朝鮮政策をとる準備をしていることを明らかにした。
1994年の金日成(キム・イルソン)死去当時、韓国国内では「弔問波動」が起きた。これは北朝鮮に非常に否定的なメッセージとして受け止められ、その後の数年間、南北関係の越え難い障害となった。北朝鮮は大飢饉で数十万人が餓死しても、当時の金泳三(キム・ヨンサム)大統領政権に対する感情を隠さず、結局、南北関係は金大中(キム・デジュン)大統領政権に入ってから改善した。李大統領の政策旋回は、こうした経験を熟慮して下した決定だったはずだ。
金正日の死後、北朝鮮の指導部が従来の対外・対南政策基調を変えるかどうかはまだ分からない。それでも韓国政府が北朝鮮に対して柔軟な対処を強調するのは、北朝鮮に肯定的な変化を促そうという目的だ。「葛藤一辺倒だった南北関係をリセットする機会にする」という青瓦台関係者の説明のように、韓国が先に変化の意志を見せることで、北朝鮮も呼応してくることを期待しているのだ。
南北関係を設定しなおす方向を決めたのなら、より積極的なメッセージを伝えるのが良さそうだ。米国はすでに北朝鮮に対し、大規模な‘栄養支援’の意思を約束している。韓国も相当規模の食糧支援の意思を明らかにする必要があるとみる。天安・延坪島事件後、韓国政府は対北朝鮮支援問題を両事件に対する謝罪と事実上連係させてきた。概して世論も政府の立場を支持していた。しかし金正日の死去を契機に世論も変化する雰囲気だ。韓国政府が選択できる政策手段の幅が広まっているのだ。食糧支援のほかにも政府が検討できることはいくつかある。政府が望むように北朝鮮の非核化を進展させようとするなら、可能な政策手段をすべて点検する必要がある。
政界も局面を大きく見て、望ましい南北関係再設定のために慎重な姿勢を見せることを求める。昨日開かれた国会南北関係特別委員会で、一部の議員は金正日死去時点をめぐる疑惑を拡大した。国喪をする北朝鮮を相手に根拠もない疑惑を提起しても、南北関係には何も役立たない。議員一人ひとりが憲法機関の国会議員なら、こうした軽率な言動はしてはならない。
1994年の金日成(キム・イルソン)死去当時、韓国国内では「弔問波動」が起きた。これは北朝鮮に非常に否定的なメッセージとして受け止められ、その後の数年間、南北関係の越え難い障害となった。北朝鮮は大飢饉で数十万人が餓死しても、当時の金泳三(キム・ヨンサム)大統領政権に対する感情を隠さず、結局、南北関係は金大中(キム・デジュン)大統領政権に入ってから改善した。李大統領の政策旋回は、こうした経験を熟慮して下した決定だったはずだ。
金正日の死後、北朝鮮の指導部が従来の対外・対南政策基調を変えるかどうかはまだ分からない。それでも韓国政府が北朝鮮に対して柔軟な対処を強調するのは、北朝鮮に肯定的な変化を促そうという目的だ。「葛藤一辺倒だった南北関係をリセットする機会にする」という青瓦台関係者の説明のように、韓国が先に変化の意志を見せることで、北朝鮮も呼応してくることを期待しているのだ。
南北関係を設定しなおす方向を決めたのなら、より積極的なメッセージを伝えるのが良さそうだ。米国はすでに北朝鮮に対し、大規模な‘栄養支援’の意思を約束している。韓国も相当規模の食糧支援の意思を明らかにする必要があるとみる。天安・延坪島事件後、韓国政府は対北朝鮮支援問題を両事件に対する謝罪と事実上連係させてきた。概して世論も政府の立場を支持していた。しかし金正日の死去を契機に世論も変化する雰囲気だ。韓国政府が選択できる政策手段の幅が広まっているのだ。食糧支援のほかにも政府が検討できることはいくつかある。政府が望むように北朝鮮の非核化を進展させようとするなら、可能な政策手段をすべて点検する必要がある。
政界も局面を大きく見て、望ましい南北関係再設定のために慎重な姿勢を見せることを求める。昨日開かれた国会南北関係特別委員会で、一部の議員は金正日死去時点をめぐる疑惑を拡大した。国喪をする北朝鮮を相手に根拠もない疑惑を提起しても、南北関係には何も役立たない。議員一人ひとりが憲法機関の国会議員なら、こうした軽率な言動はしてはならない。
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