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【グローバルアイ】西海のゾンビたち

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「銃がないだけで、漁夫はあらゆる凶器を載せて海に出てくるがどう思うか」。

「法を犯した中国の民間人が取り締まりの外国警察官を殺害したということが理解できないです。正当防衛というか何か事情があったのではないでしょうか」。

中国船長の韓国海洋警察官殺害事件を取材しながら新聞放送学科を卒業したばかりのJTBCの漢族カメラマンとした話だ。他国の海で不法を犯した困窮した境遇でむしろ公権力に立ち向かったということが納得できないという表情だった。公安の目が鋭い中国で簡単には起きないことで理解できないということだ。


中国漁船は韓国領海に入れば竹やりと鉄パイプ、くわ、鎌で重武装した略奪者に急変してきた。日常に忙しい平凡な中国人に彼らのぞっとする暴力犯罪行為はまともに伝えられていない。新聞・放送・インターネットポータルサイトなど宣伝手段に動員される中国の多くの大衆メディアが国外のニュースに鈍感なのではない。

先日大衆紙「環球時報」の電子版が主催する討論会に参加した時のことだ。当初要請された発表テーマは「健全なインターネット文化を育てよう」というキャンペーン性の内容だったが、参席者は韓国のインターネット実名制の現況に対して集中的に尋ねた。この日招かれた中国の上位40大インターネットメディアの編集責任者は韓国のインターネットで広がる悪口と誹謗の弊害と芸能人自殺事件、そしてインターネット実名制導入過程までくわしく知っていた。中国当局が香港と台湾の親中的でないウェブサイトは開けないよう防火壁を積み上げたが、韓国のウェブサイトはほとんど無制限でアクセスできるのでこうした韓国のニュースに強くなるしかない。

だが、宣伝当局の報道指針を順守する中国の日刊紙やインターネット新聞は今回の「西海(ソヘ、黄海)殺害事件」のファクトや隣国の海でゾンビに急変し凶暴な海賊行為を行う自国の漁民に対して目をつぶった。相手国の警察官を暴行・殺害した行為は縮小し、自国漁民に同情的な世論を広げ事態の波紋を減らそうとする算段だったのだろう。

中国近海は水産資源が枯渇したが目の前には黄金漁場が広がっている構図だ。彼らの略奪は続くほかない。漁民らの生活と直結する問題と抜本塞源の根絶策を出すことも難しい関係当局の苦心は推し量れる。問題は漁民らの暴力行為が数百億ウォンを注ぎ精魂を込めている中国の国家広報戦略に非常に冷たい塩水を浴びせるという点だ。自国の公安権力の前では息を殺して生きる中国人が国の外では相手国の法秩序を踏みにじり鎌とくわで公権力に挑戦する姿は国の広報映像よりさらに早く世界全域に広がっていく。これは単純な事案でない。漁夫の暴力を容認する中国当局の身の振り方は中国脅威論者が主張する暴力的ふるまいの一断面として表れるためだ。

チョン・ヨンファン北京特派員



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