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【解説】野田首相が持参する高宗儀軌、ようやく第一歩だ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
18日に訪韓する日本の野田佳彦首相が「大礼儀軌」など宮内庁所蔵の図書3種5冊を直接持ってくる。昨年11月に宮内庁所蔵の図書1205冊を返還することにした韓日図書協定が支障なく実行されることを示す象徴的なことだ。

「大礼儀軌」は高宗(コジョン)が大韓帝国を宣言し皇帝に即位した過程を記録した儀軌だ。文化財返還運動を行っているへムン僧侶は、「中国の天子や日本の天皇、朝鮮の皇帝の位は同じだと宣言したもので当時では破格なことだった。高宗の夢が盛り込まれた儀軌で意味が大きい」と話した。野田首相はこのほかにも正祖(チョンジョ)文集の「弘斉全書」2冊、純宗(スンジョン)皇帝の皇太子時代の婚礼手続きを記録した「皇太子家礼図鑑儀軌」2冊などを持ってくる。

日本の皇室図書館で人質のように取られていた韓国の文化財が戻ってくるのは歓迎することだ。しかし専門家らは過度に熱狂することではないと指摘する。梨花(イファ)女子大学のハン・ヨンウ客員教授は、「宮内庁図書でなくとも返してもらわなければならない韓国の文化財は多い。今回の返還に対し韓国メディアが過度に意味を付与すれば日本としてはすべきことをすべてしたように感じるだろう」と慎重な姿勢を見せた。


特に儀軌類は国内にすでに複写本がある資料だけで学術的意味は落ちる。唯一本が多数含まれていたフランス外圭章閣(ウェキュジャンガク)儀軌とは位置づけが異なるものだ。学者はむしろ儀軌とともに帰ってくる奎章閣搬出図書にさらに関心を持っている。伊藤博文が「韓日関係上の調査資料として使う」として借りて戻さなかった66種938冊だ。そのうち古代から韓国の歴史を整理した歴史書「経世補篇」など6種28冊は国内にない唯一本で、どの学者もその正確な内容を知らない。

これらの図書は当初協定対象に入らなかったが日本側が自発的に戻すことにした。へムン僧侶は、「日本政府は天皇に後に迷惑がかかりかねない宮内庁図書類はすべて戻すことにしたようだ。韓国政府が先に返してくれという要求さえしないのは恥ずかしいこと」と指摘した。へムン僧侶は粘り強く貸し出し図書問題を提起してきた。しかし韓国政府は「文化財は問題視しない」とした1965年の韓日協定を理由に返還要求に消極的だった。

パク・サングク文化遺産研究院長は、「日本に感情的に対応する段階は過ぎた。今回の返還に対する日本の真正性を先にほめ、今後韓日関連問題がスムーズに解決される契機にしなければならない」と話した。伊藤博文の貸し出し図書とともに韓国政府が把握さえできなくなっている韓国の文化財が日本にいくらでもありえるというのが専門家たちの指摘だ。宮内庁図書返還は第一歩にすぎない。



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