サムスン電子のタブレットＰＣ「ギャラクシー・タブ１０.１」のオーストラリアでの販売が禁止された。オーストラリア連邦裁判所は７月にアップルが提起した「ギャラクシー・タブ」のオーストラリア国内販売禁止仮処分申請を１３日に受け入れた。

裁判長は、「両社の特許権論争が今後の裁判で解決される時までオーストラリアでのギャラクシータブの販売を暫定的に禁止する」と決めた。これに対しサムスン電子は「ただちに控訴する」と明らかにした。サムスン電子が侵害したとアップルが主張しているタッチスクリーン技術関連特許は、「マルチタッチ」と「ヒューリスティクス」の２種類の技術だ。

マルチタッチは画面を２本以上の指でタッチしてもこれを個別に認識して拡大・縮小・回転など多様な動作ができる技術だ。ヒューリスティクスは写真や画面をめくったりスクロールする際に指の動作が正確に水平または垂直でなくても使用者が画面をどの方向に動かそうとしているのか意図を認識する技術だ。


裁判所はこの日、販売禁止決定を下した詳しい理由と具体的な法的措置は公開しなかった。このためマルチタッチとヒューリスティクスの２つの争点のうちどちらの侵害を認めたのかは明らかになっていない。サムスン電子は控訴を含むすべての法的措置を取ると明らかにした。また問題になった技術を変更適用した「ギャラクシータブ」の発売を検討している。サムスン電子関係者は、「アップルが問題にした技術はすべて液晶パネル上で発生する技術的問題。液晶を使わず有機ＥＬに変えれば問題はなくなる」と主張した。

サムスン電子は、オランダの裁判所がアップルの「フォトフリッキング」技術に対するサムスンの特許侵害を認め、「ギャラクシー」シリーズのスマートフォンの販売を禁止したことから、この技術をはずしてサムスン独自の技術を適用した製品を最近現地で発売した。サムスン電子関係者は「可能なすべての措置を通じてオーストラリア市場で製品を持続的に供給できるよう努力したい」と話した。

これに先立ち７月末にアップルは「ギャラクシータブ」が「ｉＰａｄ２」の特許を侵害したと主張してオーストラリア国内での販売禁止を裁判所に申し立てた。サムスン電子は裁判所の勧告を受け入れ販売を保留した。これに伴い、「ギャラクシータブ」は現在オーストラリアで販売とマーケティング活動がすでに中断された状態だ。ギャラクシータブの販売が禁止されることにより年末シーズンを控えサムスン電子のオーストラリア国内での営業は打撃を受けることになった。