ソフトバンクが創業初期に発刊した雑誌。
どん底に陥ったと感じる度に本を開いた。 そうして読んだ本は約4000冊。 生涯食べていく知識を得たのだ。 ソフトバンク特有の経営戦略だった「孫の二乗の兵法」もこの時に創案した。 孫子の兵法を深く読み、自分なりに消化した結果だ。
核心は簡単だ。 「負ける戦はしない」。 勝つ戦に勝つということだ。 戦闘はギャンブルではない。 科学であり理論だ。 もう一つ。 「戦わずして勝つ」。 合併・買収(M&A)がそうだ。 日本の経営者やメディア関係者の大半は私の戦略を理解できないようだ。 よく「冒険」「差益」などの用語を使うのを見る。 それぞれのディールがどれほど大きなビジョンに基づいて、科学的な分析のもとで、遠い未来を見つめてのことか、徐々に話すことになるだろう。
こうした中でも私の病勢は一進一退を繰り返した。 84年に新しい治療法に出会った。 虎ノ門病院の熊田博光博士が創案した「ステロイド離脱療法」だ。 簡単に説明すると、慢性肝炎を急性肝炎に変え、人体内部の抵抗力を一気に引き出して治療するという一種のショック療法だ。 今では治療法が多いが、当時は方法があまりなかった。 結果は幸い成功だった。 ウイルス数値が大きく落ち、私は86年5月に一線に復帰できた。 しかし会社で私を待っていたのは10億円の負債、そして役員とのつらい葛藤だった。
【特集】<創刊企画>日本IT界の神話、孫正義「志高く」
この記事を読んで…