冷静に見ると、欧州の財政危機は経済の基礎体力が弱まった中、金融危機までが重なった「構造的（ファンダメンタル）危機」だ。これに対して韓国は海外資金が出入りすることで生じた「技術的（テクニカル）変動」といえる。したがって国内企業がアーニングサプライズ－経常黒字－経済成長率好転という好循環に乗ることになれば、私たちはグローバル経済危機に対抗する最も確実な防波堤を構築することになる。これは天文学的な外貨準備高や通貨スワップ以上に市場の不安心理を落ち着かせる特効薬だ。

その間、社会の二極化で国内の大手企業が後ろ指を差されてきたのは事実だ。しかし韓国経済が不安定な時、大手企業が救援投手の役割をする現実も無視してはならないだろう。韓国の大企業はリーマンショック当時とは比較にならないほど国際競争力が高まった。サムスン電子のアーニングサプライズはこうした現実を具体的に立証する指標といえる。さらに年末の世界情報技術（ＩＴ）市場のピーク期が近づく中、最近のウォン安までも重なり、今後の実績見通しをさらに明るくしている。政府も国内看板企業の実績を広く知らせて、「コリアディスカウント」を「コリアプレミアム」に変えなければならない。歴史上、強力な製造業を保有する国が経済危機を迎えることはなかった。

【社説】堅実な製造業があれば経済危機はない（１）