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ミシュランの3つ星料理人「韓国の食用犬に衝撃だったが…」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

写真=ソウルの市場で韓国固有の食材をチェックするピエール・ガニェール。

◇ペット犬も食用犬も扱う興味深い市場

韓国で私の名前を掲げたレストランがオープンしたのは2008年10月1日だ。しかし韓国を初めて訪問したのは2006年だった。その時から私は年に2~3回韓国を訪れ、市場を訪ね歩いて韓国固有の食材を研究した。私はフランス料理を作るが、韓国でレストランを運営しながら韓国料理を知らなくてはいけないと考えた。いま私はその経験を基に韓国食材を組み合わせたフランス料理を作っている。

私はソウルと首都圏の名のある市場はほとんどすべて見て回った。ソウルの可楽(カラク)市場、鷺梁津(ノリャンジン)市場など大型市場はもちろん、京東(キョンドン)市場、広蔵(クァンジャン)市場、そして京畿道城南(キョンギド・ソンナム)にある牡丹(モラン)市場まで行ってみた。可楽市場と鷺梁津市場はソウルを代表する食材市場だけに、フランスにある大型市場と規模や雰囲気が似ていた。私にとって特別なところは別にあった。ソウルから1時間の距離にある牡丹市場だ。広がった露天に形成された牡丹市場には、本当にないものはなかった。


牡丹市場は入口から露天商でいっぱいだった。多様な花と植木鉢、雑穀と薬草を売る商人が店を広げていた。きちんと整理されたソウルの大型市場では見られない光景だった。屋台に置かれた鳩麦・緑豆・きび・エンドウ豆・黒豆など多くの雑穀を見て、コメに雑穀を混ぜて楽しむ韓国人の健康な食生活をのぞくことができた。何と言っているのか聞き取れなかったが、冬虫夏草・シナモン・五味子などの薬草を広げ効能を大きな声で説明する薬草商人も興味深かった。臭いをかぐだけで元気になるような気持ちだった。

市場の内側に入ると魚・肉・麺などを酒とともに売る屋台の列が現れた。真昼なのに韓国人は三々五々集まってゆでた肉やスンデ、チヂミなどをマッコリや焼酎と食べていた。見慣れない姿の異邦人が現れたからなのか、屋台の商人は私にあれこれ食べ物を渡してくれた。サクサクと焼き上げた食感が良い緑豆ジョンとさっと下味をつけた豚肉、野菜を詰めて焼いたエゴマの葉のチヂミ、薄く氷が浮かぶマッコリとシッケ、韓国のパンケーキのホットクを味わい材料が気になった。商人は身振り手振りを総動員して私に説明をしてくれた。

牡丹市場で私は生まれて初めて「食用犬」を売る姿を目撃した。フランスで韓国人が犬の肉を楽しむという記事を見たことはあるが、実際に生きている犬が食用犬として売られ料理される姿を目撃したのは初めてだった。少しは衝撃的だった。しかし世の中のどんな生命体であれ、殺す時は残念で気味が悪い。犬の肉を食べてみたことはないが、フランス人が馬肉を楽しみ、英国人がカエルを食べ、中国人がサルの脳を食べることと、韓国人が犬を食べることに違いはないと私は考える。



ミシュランの3つ星料理人「韓国の食用犬に衝撃だったが…」(2)

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