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【グローバルアイ】さよなら東京、頑張れ日本!

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北海道の札幌から北西に車で2時間ほど走った山の中に二股温泉というところがある。温泉水の沈殿物が巨大な石灰ドームを形成した自然ラジウム温泉で、規模は米イエローストーン国立公園のマンモス温泉に次いで2番目に大きい。神経痛・関節炎・皮膚病・慢性婦人病・疲労解消・慢性消火器病などに効果があり、「2週間以上宿泊し、良化の兆候がない場合、全額返金します」と広告している。

数年前に大腸がん手術を受けた夫と家族旅行に行ってみると、同じように治癒目的で来ている人たちで込み合っていた。ラジウムを放出する弱い放射線が神経痛や胃腸病など各種病気に効果があるというのは昔からよく知られていることだ。ラジウムは代謝を促し、体内の老廃物を除去し、自律神経系を復元する効能があるという。旅行をする度に各地域にあるラジウム温泉を調べて足を運んだ。3・11東日本大地震と福島第1原発事故が発生するまでは。

日本人も私たちと変わらない。日本の各メディアの報道によると、全国のラジウム温泉を訪れる客は急減している。体に有害なステロイドも治療目的で使えば薬になるように、放射線はがん治療にも利用される。しかし原発事故が発生した瞬間から、日本で放射線は無条件に‘有害’な存在になってしまった。


表情に出さないだけで、日本人も不安な気持ちは同じだ。空気中の放射能濃度を確認し、子どもに与える食べ物の原産地もチェックする。東京特派員生活を終えて帰国する私に対し、友達は約束でもしたかのようにみんな「もう放射能の心配をしなくてもいいね。よかった、よかった」と祝った。自分だけ危険なところから逃げるような気がして申し訳なく思うほどだった。

特派員として日本で過ごした3年6カ月間、記者は日本の初の政権交代と3.11大地震を経験した。世の中が大きく変わると期待された民主党の政権交代は、相次ぐ失政と首相の交代で日本国民を失望させた。大地震と津波で約2万人が死亡・行方不明となり、史上最悪の原発事故で放射能恐怖に怯えているが、被害地域の住民が元の生活を取り戻すまでどれだけの時間がかかるかは誰も話せない。失業者が増え、長く続く円高は日本経済を締めつけている。

低出産・高齢化が進む日本社会は、決して活気に満ちて明るいとは言えない。日本は世界経済を率いた1980年代の力を取り戻せないという見方も多い。しかし戦後の廃虚から日本という国を興したのは勤勉な日本国民だった。通勤中に元気な声で朝のあいさつをする近所の子どもたち、毎朝町内の清掃をする高齢者、唯一の外国人児童である娘のために一日も欠かさず連絡帳にコメントを記入する担任の先生。自分の場所で引き受けたことを誠実にやり遂げる多くの日本人がいるだけに、日本の未来は相変わらず明るい。地震の被害を受けた東北地方の早期復旧を祈る。頑張れ、日本!

パク・ソヨン東京特派員



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