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【社説】三星とアップル、恐怖の均衡が特効薬

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
アップルが三星(サムスン)電子の「ギャラクシータブ10.1」を相手取り提起した特許訴訟で、ドイツのデュッセルドルフ地裁が販売禁止の仮処分決定を受け入れた。三星電子は1カ月余りの間に欧州地域でこの製品の販売が厳しくなり虚を突かれた。だが、デュッセルドルフ裁判所は欧州の特許訴訟の半分以上が集まるほど世界のどこよりも特許権者に友好的なところであり、今回の仮処分は臨時措置にすぎない。近く出されるオランダの裁判所の仮処分審判とデュッセルドルフ裁判所の本訴訟の結果を見守らなければならない。もしアップルが負ければ仮処分期間に三星が販売禁止により被った被害を全額補償しなければならない。

現在三星電子とアップルは世界8カ国で20件余りの特許紛争を行っている。スマートフォンとタブレットPC市場を先行獲得したアップルがアンドロイド陣営に本格的に牽制球を投げ始めたのだ。アップルは主にデザインと外観を問題にしたが、三星はデータ分割伝送、電力制御、伝送効率のような自社の無線通信特許を侵害したという立場だ。今回の紛争が過去最大のロイヤルティにつながるのか、そうでなければ互いに特許権を認める「クロスライセンス」で落着するのか、先は読みにくい。最近アップルはノキアが提起した無線通信特許訴訟で手痛い敗訴となったことがある。反対に米国と欧州の裁判所はデザインとビジネスモデルの特許権を幅広く認める傾向なので三星も安心できない境遇だ。

世界経済が厳しくなると特許訴訟と貿易摩擦が頻発するものだ。韓国企業も世界市場のプレーヤーとしてそびえ立っただけに外圧は一層強まるほかない。いまは以前のように消極的な対応では困る。過去の特許紛争を振り返れば最も効果的な処方せんは恐怖の均衡(balance of terror)だった。むやみに飛びかかり自身も致命傷を受けるリスクがあるなら誰も生半可な挑発を迷うことになる。恐怖の均衡を合わせようとするなら事前に膨大な特許網を細かく積み上げることが重要だ。三星電子もアップルが境界が曖昧なデザイン面を攻撃してきただけに、確実な技術を前面に出した特許侵害訴訟で積極的に正面対抗してこそ円満な解決の可能性が高くなるだろう。

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