金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官暗殺を狙った北朝鮮の特殊任務組が国内で活動を始めたと、政府関係者が9日伝えた。
匿名を求めた関係者は「北朝鮮のいかなる挑発にも断固対応すると強調してきた金長官に対する北朝鮮の暗殺組が暗躍しているという事実を韓国と米国の軍・情報当局が把握し、暗殺組の探索作業を始めている」と述べた。
この関係者は「北朝鮮が要員を直接派遣したのか、第三国で外国人を雇用して国内に潜入させたのか、国内の定着スパイに暗殺任務を与えたのかは現在まで把握されていないが、北朝鮮当局の指示に基づき金長官暗殺組が動いているのは間違いない」と付け加えた。
これに関し与党の核心関係者は「韓米の軍・情報当局が協調し、金長官暗殺組の規模と形態を把握するために総力を傾け、金長官保護措置も取っていると聞いている」と述べた。
北朝鮮当局は昨年初め、故黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ)元労働党秘書を暗殺するため、偵察総局所属の少佐(韓国軍少佐級)2人を脱北者に偽装させて南へ派遣している。偵察総局は天安(チョンアン)艦沈没事件の背後とされる北朝鮮労働党内の対南工作部署。
韓米情報当局は金長官暗殺組も偵察総局の要員である可能性があるとみて、脱北者のうち偽装潜入した人がいるかどうか調べているという。情報当局は今回、北朝鮮が違った形で暗殺組を構成した可能性もあるとみて、定着スパイや外国人テロリストの探索作業も行っているという。
政府は金長官に対するテロを防ぐため、特別保護措置を取っている。金長官が移動する場合、武装した憲兵4人が私服姿で同伴し、外部で食事する時は食堂と周辺を事前に点検するなどの措置が取られるという。
国防部の事情に詳しい政府関係者は「金長官は普段から業務が多い日は国防部内のBOQ(将校宿舎)でよく宿泊しているが、最近、官邸よりもBOQで宿泊することを軍と情報当局が勧めていると聞いている」と述べた。
北朝鮮当局が金長官暗殺指令を出したのは、北朝鮮の挑発に対して金長官が断固たる立場を見せているためというのが政府関係者らの分析だ。昨年11月の北朝鮮軍の延坪島(ヨンピョンド)砲撃挑発直後に任命された金長官は、国会人事聴聞会の時から「北朝鮮は私たちの主敵」と強調し、北朝鮮の挑発に対して数倍の報復をするという考えを繰り返し明らかにしてきた。
その金長官に対し、北朝鮮は「戦争狂」「民族反逆者」と非難し、「傀儡国防部長官は直ちに処刑されるべきだ」と主張してきた。
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