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法廷で「金正日万歳」…判事は見ているだけだった

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

法廷で「金正日万歳」と叫ぶ被告。

「偉大なる金正日(キム・ジョンイル)将軍様万歳」

6月30日に水原(スウォン)地裁410号法廷で裁判が終わると、国家保安法違反容疑で拘束起訴された被告は突然傍聴席に向かって両手を挙げて叫んだ。この瞬間法廷は静まりかえった。一部傍聴客はあきれたという表情になった。北朝鮮称賛はいまやインターネット空間だけで起きるのではない。韓国の法廷でまでためらうことなく行われているのだ。

だが、司法府の対応は不十分だという指摘が出ている。被告が法廷で「金正日万歳」を叫んだ時、裁判所と検事は制止できなかった。法廷騒乱罪などを適用し過怠金などを賦課することもなかった。裁判長のキム・ハンソン水原地裁部長判事は刑務官らに「連れて行きなさい」という指示をするにとどまった。法廷で「金正日将軍様万歳」を叫んだ被告は2007年からインターネットカフェ「サイバー民族防衛司令部」の運営者として活動してきた。


2008年に仁川(インチョン)地検が被告を在宅で起訴し、1審で懲役1年6月に執行猶予2年を宣告されたが北朝鮮称賛をやめなかった。昨年11月に北朝鮮による延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件が起きた時は、「北方境界線(NLL)に対する明確な立場を武力で確認した事件です。金正恩(キム・ジョンウン)大将様がやっておられます」と書き込んで1月に拘束起訴され、1審で1年6月の実刑を宣告された。だが、控訴審で裁判所は被告の量刑を懲役1年に軽減した。被告が利敵表現物を製作したが大韓民国の存立・安定を脅かす行動をしていなかったという理由からだ。

本紙は裁判所の立場を聞くためにインタビューを要請したがキム部長判事は応じなかった。これと関連し、水原地裁のイ・ヒョンボク公報判事は、「宣告が下された後に起きたハプニングで、裁判長はただちに退廷措置をした」と話した。検察側は、「法廷秩序を維持するのは裁判所の所管」とした上で、「被告の法廷行動に法違反の素地があるとみて警察に捜査を指示した」と明らかにした。被告は最近警察の調査過程で、「私に付いてくる数千人の会員に真心を見せたかった。機会がなかったが最後にそうすると気が晴れた」と述べた。

公判を見守ったサイバー安保監視団運営者のチャン・ミンチョル氏は「従北勢力の間では国家保安法違反で法廷に立つだけでは認められないということをわかっているためこうした誇示的行動をしようとする雰囲気が形成された」と指摘した。実際に警察は被告がインターネットでは英雄化されており、彼に従う人は少なくとも数百人、多くて数千人に達するとみている。東国(トングク)大法学部のキム・サンギョム教授は、「大韓民国憲法と司法秩序に反する行動に対しては法廷騒乱罪で厳しく処罰しなければならない。司法府がこうしたことを単純なハプニングと見るならば法廷で北朝鮮を称賛することが広がり続けるだろう」と指摘した。



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