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中国が韓国を軽く見る理由

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中国の陳炳徳総参謀長は立志伝的人物だ。江蘇省南通で工場労働者として働き、19歳の時に陸軍兵士とし入隊し2002年に上将にまで上り詰めた。党中央軍事委員も兼任し、軍部の実力者の1人に挙げられる。

そんな陳総参謀長が中国を訪問した金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官を相手に“外交的欠礼”をしたという批判を受けている。金長官を相手に米国を猛非難する話を10分余りにわたり吐き出した。「米国は常に覇権主義に相当する行動や表現をする覇権主義の象徴」という言葉も出てきた。米国はもちろん韓米同盟の一方の軸である韓国まで狙ったような発言だ。「覇権国家に同調するな」という警告性メッセージのように聞こえる。

これと似た場面があった。2001年5月北京・中南海でだ。江沢民国家主席が金重権(キム・ジュングォン)民主党代表に会った時だ。その時江主席も韓国の政府与党代表を相手に10分余りにわたって日本の政治を激しく批判した。「1989年の国家主席就任後10人の日本の首相に会った。3カ月もたたずに退いた首相も2人に上る。そのような人たちとどうして重要な約束をできるだろうか」というような趣旨だった。


江主席の発言がまだ脳裏に残っているのは、その後中国が誇示した「対日圧迫外交」のためだ。これ以上は日本の資本・技術・市場を必要とした「忍耐の大国」ではなかった。外交的紛争が発生するたびに手綱をきっちりとつかんだ。2005年に中国全域を揺るがした反日デモも最大限活用した。昨年9月の尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領土紛争は日中外交戦争の決定版だった。中国は両国の高官級会談中断と日本観光の取り消し、レアアース類の輸出中断など強硬策を吐き出した。茫然自失となった日本は事実上白旗を上げた。

韓中修交19年、ついにくるものがきたのか。中国は韓米同盟に触れ始めた。韓国に来る中国の官僚・知識人は龍山(ヨンサン)の戦争記念館をほぼ必須コースのように参観する。韓国戦争に参戦した自分たちの歴史を確認するためだ。50代初めの著名な学者は、「ソウルの真ん中にある龍山米軍基地が本当に印象的だ」としながら、「中国でなら到底望めないこと」と話した。首都の真ん中に米軍基地を認める韓国は米国の属国でないかというニュアンスを濃厚に漂わせた。一部中国側関係者は、中台関係やチベット独立問題など敏感な争点を切り出せば「韓中関係が悪化すれば韓国のほうが失うものが多いだろう」と話す状況だ。

中国指導部は韓半島政策と関連して2つの原則を押しつけている。ひとつは南北等距離外交、もうひとつは韓日米三角同盟の弱化だ。次期指導者の習近平時代に中朝血盟は強化される可能性が大きい。彼が昨年10月、韓国戦争に対し「平和を守り侵略に対抗した正しい戦争」と話したのは緻密な計算の末に出てきた発言だろう。圧迫と懐柔の両面を駆使するものとみられる。

チャイナパワーは日増しに大きくなるのに韓国政界の対応は安易だ。早急さと国論分裂、北東アジア外交に対する無戦略、感情的な対応のパラダイムから抜け出すことができない。日本は20年余り政治リーダーシップが墜落しながら中国に甘く見られた。韓国政治指導者らもやはり大きく変わらない。哨戒艦爆沈と延坪島(ヨンピョンド)砲撃にもかかわらず、第一野党と進歩陣営は北朝鮮側より韓国政府に怒りを向けている。中国を訪問した人々は彼らの内密な内心を把握するより写真を取るのに熱中する。だから中国の大物と会わせるとして巨額を要求する媒介者まで出てくるのだ。政界の千鳥足と政争のために韓国はいまや中国が習わなければならない発展モデルから、習ってはいけない反面教師に転落した。 陳総参謀長の無礼がさらに痛く感じられる理由だ。「G2時代」の中国発の暴風はまだ始まりにすぎない。



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