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【BOOK】成功を収めた在日同胞企業家の激動の現代史小説『アンダンテ・アンダンテ』

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

小説『アンダンテ、アンダンテ』

アンダンテ(andante)---。「遅く」を表す音楽記号だ。20世紀後半、韓国史を速度記号で表現するとどうなるだろうか。「アンダンテ」ではないことは明らかだ。むしろ「ビバーチェ(vivace、速く)」に近い。

小説『アンダンテ、アンダンテ』(ナナム)は、このような点で二律背反的だ。世界中で類を見ないほど激動の歳月を送った韓国人、それも祖国を離れて日本で住まなければならなかった在日同胞の事業家を主人公にした作品にこういう‘矛盾した’タイトルが付けられている。アイロニーであり、パラドクスだ。もしかしたら、われわれ韓国人がこれまで失って生きてきたことへの懐かしさかもしれない。

同著は一種のファクション(注)だ。解放直後、日本に密航した一少年が小さな事業家に成長し、その過程で経験した回還と情熱をつむぎだしている。1953年における韓国サッカーのワールドカップ初出場、在日本大韓民国民団(民団)と在日本朝鮮人総聯合会(朝総連)の衝突、プロレスラーの力道山、南韓と北韓の対峙、そして朴正煕(パク・チョンヒ)大統領時代の政治秘話などが「ビバーチェ」調で語られていく。作品後半、遅くやってきた愛の悦楽と悲劇的な最後も心を濡らす。


著者は元老言論人の金東益(キム・ドンイク)氏(78)。中央日報編集局長、代表取締役、政務長官、龍仁松潭(ヨンインソンダム)大学学長などを歴任した。昨年の『太平洋の風』に続く2作目だ。生涯ファクト(事実)と向き合ってきた著者は、後書きで「客観的事実の垣根を超えて想像の草原を歩いてみようという考えでこの小説を書いた」と語っている。

注:ファクションとは、事実を表す‘ファクト’と空想を表す‘フィクション’を掛け合わせた造語



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