小説『アンダンテ、アンダンテ』
同著は一種のファクション(注)だ。解放直後、日本に密航した一少年が小さな事業家に成長し、その過程で経験した回還と情熱をつむぎだしている。1953年における韓国サッカーのワールドカップ初出場、在日本大韓民国民団(民団)と在日本朝鮮人総聯合会(朝総連)の衝突、プロレスラーの力道山、南韓と北韓の対峙、そして朴正煕(パク・チョンヒ)大統領時代の政治秘話などが「ビバーチェ」調で語られていく。作品後半、遅くやってきた愛の悦楽と悲劇的な最後も心を濡らす。
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