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【取材日記】トヨタ社長の韓国訪問

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
輸入車業界では先週、日本トヨタ自動車の豊田章男社長(55)の電撃訪韓が話題だった。豊田社長は週末の4日、1泊2日の日程で韓国を訪れ、ディーラーと職員を激励した。歴代最悪の販売不振にディーラーが動揺しているという話を中林尚夫トヨタコリア社長から聞いたからだ。

年間売上高400兆ウォンのトヨタグループを率いる豊田社長は、トヨタを創業した豊田喜一郎氏の孫だ。随行したのは秘書と広報担当、アジア販売部長の3人だけだった。ディーラーが豊田社長に「新車の商品性不足とドイツ車の価格攻勢」を指摘すると、豊田社長は「これまで韓国市場に対してうぬぼれがあった。謙虚に受け入れる」と答えた。続いて「トヨタはディーラーと同伴成長する。30年先を見て事業をしよう。ディーラーとの信頼関係はトヨタの歴史であり根元」とし、創業精神を強調した。

1927年にト豊田自動織機製作所の自動車事業部(当時ベンチャー企業)で始まったトヨタは、1940年代まで赤字が続いた。当時、豊田喜一郎社長は「会社はつぶれてもディーラーと部品会社までが一緒につぶれてはならない。3カ月手形決済代金は必ず準備しておかなければいけない」と話していた。最初からディーラー・部品会社と信頼を築いていった。


49年の労使紛糾および販売悪化でトヨタが破産した当時、豊田一家は株式を金融圏に出して資金を借りなければならなかった。この時、ディーラーが支援した。その後、トヨタは‘販売の神様’神谷正太郎氏が社長を務め、韓国戦争(1950-53)特需までが重なり、60年間の黒字行進を始めた。もちろん当時のトヨタのディーラーらが今まで日本の地域販売を掌握している。

09年はトヨタの韓国内ディーラー募集が財界の話題だった。大手企業がわれ先にと申請した。結果はLS・暁星(ヒョソン)・新羅交易など有名企業が選ばれ、計1000億ウォン以上を投資して展示場を出した。しかし今年は販売不振で赤字を免れない状況だ。

これまで輸入車会社は販売が良い時期に本社の経営陣が訪韓するのが慣例だった。しかし今回、豊田社長は販売不振の時期に来た。厳しい時期に最高経営責任者が現場を訪れてディーラーと信頼を築いたトヨタが、韓国市場でどんな成績を出すか注目される。

キム・テジン経済部門記者



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