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【取材日記】韓国で世界的建築物ができないわけ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
米カリフォルニア州クパティーノに建てられるアップルの新しい社屋の設計を英国建築家のノーマン・フォスターが引き受けるという報道があった。フォスターはデザインで勝負をかけてきたアップルが選んだ建築デザイナーという点で世界の注目を浴びた。彼は誰か。 大英博物館のグレートホールとロンドン市庁舎などを設計した。アップルが追求する革新性・創意性を彼がどのような空間として表現するのか期待される。世界の舞台で建築の位置づけはこういうものだ。ところが韓国の風景は本当に違う。建築家の名前どころか建築の品質も大きな関心事ではない。4月末に忠清南道牙山市(チュンチョンナムド・アサンシ)に完工した李舜臣(イ・スンシン)記念館は韓国の建築家の劣悪な現実を圧縮した「総合ギフトセット」だ。設計者のイ・ジョンホ氏が竣工式出席を拒否する事態まで起きた。

建物と展示をひとつの作品として完結しようとしていた建築家の意図はゆがめられた。建築家は自分の子どものような記念館の品質管理を最初からできなかった。設計と管理を別々に行う制度のためだ。韓国の場合、100億ウォン以上の予算が投入される官給工事では建築家は管理に参加できない。設計図だけ完成すれば終わる技能工であるわけだ。空間デザイナー建築家は失踪した。建築先進国にはない制度だ。

さらにひどいこともある。設計者と相談せずに空間構成を変えることまで起きた。建築家が実現しようとしていた記念館と異なる結果が出てきた。例えば李舜臣記念館にはイ氏が構想した「乱中日記」の部屋がなかった。代わりに「先端」というラベルをつけた4D映像館が入った。


報道が出ると建築家らの反応があふれた。1人でくよくよしていた悩みを広く知らしめることができたとのことだった。フランスで活動する建築家イ・ギヨン氏は、「建築家と業務と管理を切り離して考えるのはフランスではあり得ないこと。設計サービス契約時に『loi MOP』という法律により管理は建築家の基本業務として保障される」と話した。このほど訪韓した日本の建築家の團紀彦氏は、「建築家に管理をするなというのは、医者に対し患者に会わずに処方せんを書いて診療しろというような呆れたもの」として首を振った。いま残されているのは制度的整備だ。建築を文化として見る当局の意識転換と法案準備が切実だ。「デザインソウル」「デザインコリア」などのスローガンは自ずと実現されるものではない。



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