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中小食品メーカーを泣かせるブラックコンシューマー

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

映画「愛情欠乏が2人の男に及ぼす影響」で、主人公が菓子メーカーにチョコレート含有量が足りないと抗議している。

昨年10月、食品会社社員のイ・ジホ氏(仮名)は自社製品から異物が発見されたという顧客の電話を受けた。顧客は「ハンバーガーから出た異物のために歯ぐきから出血した」として病院費と薬代を要求した。「直接会って該当製品を確認した後で補償する」言うと理由をつけながら金だけ送れと要求された。

顧客の脅迫は次第にエスカレートしていった。「もしきょう来なければどうなるかわからない」「マートとコンビニエンスストアに電話してハンバーガーを販売できなくする」というものだった。脅迫に苦しめられたこの中小食品会社は結局お金を払うことで揉み消した。中小食品会社はブラックコンシューマーのえじきになりやすい。大手流通会社に納品しなければならない中小食品会社の特性を利用して脅迫する人が多い。ホームプラス関係者は「さまざまな理由をつけて売り場から中小食品会社の製品をなくせという要求が多い」と話した。中小食品会社には厳しい状況とならざるをえない。マートやコンビニエンスストアなどに納品できなければただちに倒産しかねないためだ。

匿名の中小食品会社関係者は、「大手流通会社は顧客からの苦情が提起された際に、事実かどうかを確認するよりも、該当企業に問題があると考える時が多い」と打ち明けた。食品を製造して流通会社に納品するフードコアのノ・イルファン部長は、「法に明示された通り顧客の不満を処理するというのが会社の原則だが、流通会社に問題提起をするといえば法の通りにするのは容易でないのが現実」と話した。


他の中小食品会社関係者は、「流通会社が事実関係を正確に確認する前にすべての責任を食品会社に転嫁する慣行はなくならなければならない」と皮肉った。

中小企業中央会はこのほど消費財を生産する中小企業120社を対象に、「消費者問題が企業経営に及ぼす影響」についてアンケート調査をした。回答企業の58%が「月に1回は悪質な苦情に苦しめられる」と答えた。医薬部外品を生産する中小企業関係者は、「最近の消費者はさまざまな方法で企業を圧迫する。精神的被害補償、過度な金額の損害賠償要求、写真・動画のインターネット流布脅迫、消費者団体告発などの脅迫で企業を続けていくの困難なほど」と吐露した。

中小企業中央会関係者は、「ブラックコンシューマーによる被害は企業だけでなく、善意の消費者にも被害を与えるため、合理的な消費者主権行使が重要だ」と話した。また、「政府の消費者政策は消費者と企業の権益が同時に保護されるようバランスを保った見方を持つ必要がある」と指摘した。

問題は中小企業にもある。ブラックコンシューマーの手法はますます多様化するにもかかわらず、具体的な対応マニュアルを持つ中小企業は少ない。CJフードやSPCなどの大手食品会社関係者は「ブラックコンシューマーと一般消費者を区分するのは容易ではない。そのため状況に応じたマニュアルを具体的に作って運営することが必要だ」と話した。

写真=映画「愛情欠乏が2人の男に及ぼす影響」で、主人公が菓子メーカーにチョコレート含有量が足りないと抗議している。映画で彼はこうした手法で業者からお金を巻き上げている。



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