同社は昨年１１月から国内輸入車業界の役員を対象に社長を探していた。 中国北京のアジア地域本部で面接をし、「ＯＫ」を出した候補がマルキオンネ会長の面接で脱落するという異変があった。 業界関係者は「国内輸入車会社の役員１０人以上がヘッドハンティング会社を通して直接・間接的にクライスラーの面接を受けたと聞いている」とし「最終的に２、３人が選抜され、マルキオンネ会長と面接をしたが、苦杯をなめたと聞いている」と話した。 当時マルキオンネ会長はかなり具体的な販売戦略を尋ねたという。 マルキオンネ会長は０９年６月に破産保護に入ったクライスラーを引き受け、毎年輸入車販売が大幅に増加している韓国に関心を向けたという。

マルキオンネ会長は一日の睡眠時間が３－４時間で、週末にも休まず働くことで有名だ。 １年に使う休暇は５日間ほど。 ８０本部の報告を直接受け、普段は電子メール確認が可能なスマートフォンを５台も携帯している。 ５台のスマートフォンはＣＥＯに在職するフィアット・クライスラーをはじめ、農機械会社ＣＮＨ、ＵＢＳ銀行の業務用ということだ。 残り１台は故障した場合に備えた予備用という。 こうした理由で０９年にビジネスウィークが選定した「世界で最もよく働くＣＥＯ」に選抜された。

マルキオンネ会長の経営哲学は米アップル式経営だ。 傾いたパソコン会社から周辺機器のｉＰｏｄで成功した後、アイフォーンで大変身したアップルの成功ストーリーをフィアットに取り入れている。 ０４年末基準で累積赤字が１２０億ドルに達したフィアットを引き受けると、役職員に強力なブランドパワーなどｉＰｏｄの成功要因をベンチマークするよう注文した。 こうして出てきた車が０７年に旋風的な人気を呼んだ小型車「フィアット５００」だ。 マルキオンネ会長がこの車を「フィアットのｉＰｏｄ」と呼んだほどだ。 アップルのように人事も改革した。 ０５年にフィアットの管理職幹部およそ２０００人を解雇し、若くて有能な中間管理を幹部に果敢に昇進させ、外部人事を積極的に抜てきした。 そして裁量権を積極的に付与した結果、フィアットは２年で４億ドルの黒字に転換した。 イタリア・カナダ国籍で会計士のマルキオンネ会長はカナダのヨーク大学とウインザー大学で経営学修士を取得した。

クライスラー会長「韓国市場は最も重要」（１）