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【社説】部品一つで混乱する韓国自動車産業

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
エンジンの部品一つで韓国自動車産業が揺れている。国内ピストンリング市場の80%を占める柳成(ユソン)企業がストライキに入り、自動車生産がオールストップする危機に直面している。1個当たり1000ウォン(約75円)水準のピストンリングはエンジン内部の摩擦を減らし、爆発圧力がもれるのを防ぐ部品だ。特別なものではないように見えても、車種によってそれぞれ違う形で注文生産されるため、すぐに代替品を確保するのは容易でない。先月、米国市場シェア9.4%で過去最高の好況となった現代・起亜(ヒョンデ・キア)車はピストンリングの在庫がなくなり、危機を迎えている。

今回の事態で韓国自動車産業のぜい弱な構造が浮き彫りになった。昨日一日、現代車と起亜車の時価総額は4兆2192億ウォンも蒸発した。自動車生産が全面中断される場合、一日の生産支障額は1000億ウォンを超え、今月末まで操業中断が続けば被害額は1兆ウォン台に迫る見込みだ。同時に3000余りの他の部品協力会社、そこで働く30万人の職員にまで影響が出るしかない。年間売上高およそ2000億ウォンの柳成企業のストライキが、81兆ウォン台の国内自動車産業を完全に焦土化させているのだ。

現在では柳成企業の早期正常化以外に方法はない。ストライキが長期化すれば柳成企業が消えるのは明らかだ。自動車業界に1時間当たり18億ウォンの損害賠償金を支払うことになり、事実上の破産は時間の問題となる。こうした悪夢を避けるには、労組は昼間2交代制と月給制の無理な要求をやめて、使用者側も誠意を持って交渉テーブルに戻ることが急がれる。また労組のストライキは合法的かもしれないが、外部勢力と結託して生産施設を占拠し、代わりの人材(管理職社員)の工場進入を防ぐのは明らかな違法行為だ。政府は公権力投入を真摯に検討する必要がある。国内自動車企業も目を覚まさなければいけない。部品単価を引き下げるだけでは‘部品会社の呪い’は繰り返されるしかない。こうした構造的な弱点を補完するには、部品供給先を多角化する必要がある。グローバルネットワークの構築はもはや避けられない課題になっている。

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