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現代車会長が激怒 「排出ガスが基準値の11倍」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
鄭夢九(チョン・モング)現代・起亜(ヒョンデ・キア)車グループ会長は「自動車生産は医術と同じだ」という言葉を好んで使う。自動車は消費者の安全と直結するため、単なる組立産業ではなく、人を治す医術ということだ。

その鄭会長が怒りを表した。同社が国内で市販中のスポーツ用多目的車(SUV)に異常があるという環境部の今年3月の調査結果のためだ。このため同社研究所の最高責任者が辞任したりもした。「ツーソン」「サンタフェ」「スポーテージ」「ソレント」「ベラクルーズ」が現代・起亜車で生産されているSUVだ。

理由はこうだ。環境部傘下の国立環境科学院交通環境研究所は年初、国内で06年から市販されてきた自動車5社のディーゼルSUVの排出ガス大気汚染物質許容基準を点検した。その結果、一般状態ではすべて合格した。


問題はエアコンをつけた時だった。他の4社はエアコンをつけなかった時に比べて10-20%多い窒素酸化物が排出されるのに対し、現代・起亜車のSUVは6-11倍にのぼる窒素酸化物が出てきた。これに該当する車はおよそ80万台。基準値の6-11倍なら呼吸器疾患を誘発するおそれがある水準だ。

政府は07年から、排出ガス濃度が許容基準値より3-4倍以上高い場合、計器盤にエンジンの異常を運転手に知らせる「排出ガス自己診断装置(OBD)」を付けるよう義務づけている。ところが今回の交通環境研究所調査の場合、現代・起亜車のSUVはこの装置が作動しなかった。

3月に環境部からこうした通知を受けた現代・起亜車は、現行法上エアコンをつけた状態での排出ガス基準がないため問題はないという立場を表した。韓国内の大気環境保全法ではエアコンをつけた時の排出ガス基準を別途に定めていない。

しかし米国政府は違う。地球温暖化の影響でエアコンの使用が増えたことを受け、09年からはエアコン使用時にも同じ排出ガス基準を適用している。欧州も似た基準を設定している。排出ガス調査を担当している交通環境研究所は、韓国の運転手のエアコン使用期間が年間8カ月以上であり、米国と同じ基準を作るために標本調査を行ったところ、こうした結果が出てきたと明らかにした。

業界専門家は現代・起亜車が走行燃費を高めるため、こうした排出ガス問題を改善しなかったと指摘している。チャン・ジンテク自動車評論家は「現代車は技術的に優れている。今回の問題は燃費を良くするために生じたようだ」と述べた。



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