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【取材日記】キム・ヨナのアリラン…大韓民国に捧げる「オマージュ」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ロシア・モスクワに韓国の民謡「アリラン」が響いた。キム・ヨナの「オマージュ・トゥ・コリア」(Hommage to Korea=大韓民国に対する尊敬)公開練習が行われた後、ニューヨークタイムズのクリストファー・クレーリー記者が尋ねた。「この音楽は何ですか」。説明を聞いたこの記者は「強い感情を呼び起こす音楽だ。韓国の民謡だったとは知らなかった。韓国の音楽は思った以上に良いという気がした」と話した。

キム・ヨナがフリー「オマージュ・トゥ・コリア」を演じながら優雅な姿で氷上を横切った時、背景に流れるアリランの旋律に記者の胸も熱くなった。「あの場面で涙が出た」という韓国人ファンもいた。海外取材陣の反応も好評の一色だ。「音楽ファイルをもらえるか」と尋ねる記者もいた。

民謡原曲のアリランをそのまま使っていれば、これほどの共感は得られなかっただろう。「オマージュ・トゥ・コリア」はソ・ヒテ・ミレニアムシンフォニーオーケストラ音楽団長とドラマ「相棒」のOSTを作ったチ・ピョングォン音楽監督、米国映画音楽の巨匠ロバート・バネット氏が編曲した。昨年4月にキム・ヨナの振付師デビッド・ウィルソン氏がソ・ヒテ団長に「韓国人の情緒を表現する曲がほしい」と依頼した。ソ団長は韓国の童謡・民謡など数曲を送った。その一曲がアリランだ。ソ団長は「民謡を活用するものの、世界の人が共感できるコードにするためオーケストラを活用し、ハーモニーを使った」と述べた。


キム・ヨナの民謡選択はリスクが大きかった。あるフィギュア審判は以前に「私たちも人間なので耳に慣れてビートが強い音楽が流れると、どうしても心が傾く」と話したことがある。今回の世界選手権大会はオリンピック(五輪)チャンピオンのキム・ヨナの新しいプログラムに、世界フィギュア界の視線が集中する大会だった。このように負担が大きい大会にキム・ヨナは果敢にアリランを登場させた。熱情的で大胆で、固定観念にとらわれず、愛国心まで強いキム・ヨナから記者は「P世代の遺伝子」を見た。

キム・ヨナは堂々としていた。海外メディアとのインタビューで「私たちの音調に基づいた曲をフリー曲に使った。世界の人々にも感動を与えられると思う。この曲が非常に気に入っている」と自信を持って話した。日本のある記者は「浅田真央や安藤美姫もこうした試みをしたらどうだっただろうか」とうらやましがった。



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