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【コラム】キム・ヨナの涙はわれわれに最高の贈り物だった

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
われわれにはキム・ヨナがいる。昨夜の競技がそれを確認させてくれた。技術的なミスがあろうがなかろうが彼女の演技は最高だった。表彰台での彼女の涙はとりわけ最高だった。「アリラン」の旋律から始まり涙で終えた彼女の競技はすべての国民にカタルシスの絶頂を贈った。

そして最高の中の最高だったのは、実は彼女の新しい挑戦だった。「アリラン」と口音民謡で構成された音楽、韓国人だけがなじんでおり世界の人には聞き慣れないその音楽を、彼女は世界最上の舞台に上げた。聞き慣れない音楽を聞くというのは誰にとっても居心地が悪いものだ。彼女は世界の人々にそれを甘受させた。キム・ヨナだけができることだった。そして世界の人々は彼女の踊りに溶け音楽にもはまった。いつか彼らがまた「アリラン」を聞くことがあれば自動的にキム・ヨナのその悲しく美しい踊りが思い出されるだろう。われわれのアリランをこのように世界の人に美しい音楽として刻んだのはまさにキム・ヨナだ。

それでいい。十分だ。キム・ヨナは昨年世界のトップに上るという自身の夢をかなえた。そして多くの人々がトップで引退しろと忠告したにもかかわらず、彼女はまた“韓国のための献詞”を準備した。もう上がるところがないことを彼女も分かっていた。彼女が美しいのはそのためだ。これ以上上がるところがないと彼女は自身の舞台を変えた。競争で勝つためでなく、完全に祖国に感謝するセレモニーのために1年を超える歳月を捧げた。


表彰台で彼女の涙は感動的であったし、衝撃的だった。「ただそこ(表彰台)に立っていること自体で涙が出た」という彼女の理由はとても美しかった。彼女の涙を見て初めて悟ったことがある。メダルの色が重要ではない競争もあるということを。世界最高の舞台から来た世界の人の耳目が集中したスタープレーヤーが、韓国の山水画が刺繍されたドレスを着て「アリラン」を踊る姿を見たことだけでも私たちは幸せだったということを。

長く競争で勝つことだけを目標に走ってきた韓国人に彼女の完璧な2等はだから価値のある経験だった。2等でもくやしくなく、感動的であり、自負心だけは満たされるということを彼女によって知ることになった。キム・ヨナに感謝する。彼女はやはり“女王”だ。



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