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【コラム】「ミシュランレストラン」 なぜソウルにはないのか(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
適切な料金も重要だ。韓国の飲食業界には「高ければ売れる」という独特の雰囲気がある。ワインを付けて夕食をすれば1人当たり20-30万ウォン(約2万円)を支払うのが現実だ。これでは顧客層を確保しにくい。こういう店で創意的な料理を持続的に出せるだろうか。東京では1人当たり40万-50万ウォン程度なら、最高級のミシュラン3ツ星レストランで料理と酒を楽しめる。物価を考えればむしろ安いともいえる。

消費者はどうか。料理のレベルやサービスはミシュランスター級を要求しながらも、それに相応する代価は支払おうとしない消費者が少なくない。似たレベルの料理とサービスに海外で接すれば、喜んで財布を開くにもかかわらずだ。

飲食業を遊興業や享楽産業と似た視線で眺める政府の態度も残念だ。製造業と関連した職人や技能工に対する支援は手厚いが、代を継ぐ料理人に対する処遇や支援はこれに達しない。1960-70年代の高度成長を牽引した製造業も結局、政府の積極的な支援による部分が大きい。飲食業も政府の積極的な支援が必要な時期だ。飲食店を一つ出すと、厨房・ホール職員など少なくとも7-8人以上を雇用するため雇用対策としても遜色はない。こうしたレストランが数多くできれば観光産業の発展にも十分に寄与するだろう。


よく飲食業は「主人が店で見守らなければならない事業」といわれる。ミシュランスター級レストランのようなレベルの高い店は一人が複数の店を運営するのは難しい。1カ所に集中してもそのレベルを維持するのは容易でない。実力が認められる店なら、1カ所を運営するだけで十分に収益を出せるようにするべきだ。

「観光韓国」がよく話題になる。単に見物場所だけでなく、食べ物や娯楽も同時に充実していなければならない。ソウルにミシュランレストランがあるということだけでも、外国人観光客にとってお金を使う一つの理由になるだろう。合理的な料金で実力をそろえた韓国版ミシュランレストランを期待したい。

イ・チョリョン・ワインナラ代表



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