マサチューセッツ工科大学（ＭＩＴ）で研究員生活をした師昌緒氏は帰国闘争に乗り出した。 出国許可を要請する嘆願書を２００枚ほど印刷し、メディア・国会議員・社会団体に送った。 ５４年の春、周恩来総理がジュネーブ会談に出席するという消息に助けを求める手紙を送ったりもした。 ８月１０日にはアイゼンハワー大統領に手紙を書いた。 米中間で交渉が始まった。 当時ＭＩＴで超高強盗鋼鉄を研究していたコーアン博士は師昌緒氏に尋ねた。 「なぜ帰国するのか。賃金も少なく地位も低いはずなのに」。師昌緒は「私は中国人です。 米国には私のように人はたくさんいます。 中国では私のような人が少ないので強く必要としています」と答えた。 ５５年春、米国と中国は韓国戦争で捕虜になった空軍操縦士１５人を含む米国人５６人と米国の中国人留学生７６人の交換に合意した。

帰国後、師昌緒氏は瀋陽中国科学院金属研究所に配置された。 当時、中国は国際的に孤立した状態だった。 ニッケルとクロムが絶対的に不足していた。 師昌緒氏はこれに代わる鋼鉄合金の開発に没頭した。 まもなく鋼鉄高温合金８０８（ＧＨ１３５）の開発に成功した。 航空機タービンエンジンとミサイル「東風３１」エンジンにこの合金が使われた。

７８年から師昌緒氏は中国工程院の設立に力を注いだ。 国家の科学振興政策に関与したのだ。 ９２年に師昌緒氏を含む５人の中国科学院院士は「中国経済の発展には工学徒が必須であり、工学徒の地位を高めるべきだ」と主張し、中国工程院設立建議書を中央政府に提出した。 ９４年に工程院が設立された。 ７４歳の師昌緒氏は工程院の初代副院長に選出された。


師昌緒氏はワーカホリックだ。 引退してから今まで研究室に定時に出退勤している。 昨年は９０歳の高齢にもかかわらず、地方で開かれた各種学術大会や会議に１０回も出席した。 師昌緒氏は人生の成功要素に４つを挙げる。 ▽正確な人生観▽すべての川の水を受け入れる海のように広い度量▽勤勉さ▽機会との巡り合い－－だ。 師昌緒氏の言葉はその通りになっている。 師昌緒氏は生涯、愛国心と勤勉さを発揮し、国は師昌緒氏に成功の機会を与えた。



米中の戦後史から生まれた“殲２０の父”師昌緒氏榁１）

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