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【社説】145年ぶり故郷に戻る外奎章閣図書

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
いざ戻ってくるとなると、うれしさよりも嘆息がもれる。 1866年の丙寅洋擾当時、フランス軍が略奪していってからなんと145年。 沈んでいく朝鮮、亡国の恥辱がしみ込んだ外奎章閣図書は、単なる文化財返還以上の意味を持つ。 弱肉強食の国際秩序の中で力が弱かった先祖が奪われた宝物が、韓国の飛行機に載せられて今日、故郷に帰ってくるのだ。 大韓民国がこれほど大きくなったことで、交渉に17年がかかったとはいえ、私たちの懐に戻ってくることになったのではないか。 国力がないために受ける屈辱、二度と繰り返されてはならない。

「5年ごと更新する貸与」という返還方式は非常に残念だが、フランスという交渉相手があるだけに、それも現実的な折衝だったと私たちは評価する。 日本にある朝鮮王室儀軌など古書1205冊を‘引き渡し’形式で受けるのと同じ脈絡だ。 文化財はいかなる経緯であれ、一度奪われればきちんとした形で返してもらうのはこのように難しい。 外奎章閣図書の返還を契機に、政府と関連団体が海外の韓国文化財を探して取り戻すのにより大きな力を注いでくれることを期待する。

最も重要なのは海外文化財の現況と流出経路の把握だ。 文化財庁は世界で約14万点と推定しているが、ほとんど公共機関の所蔵品であるため、実際にはこれよりはるかに多いと考えられる。 外奎章閣図書のように略奪されたもの、盗掘・盗難にあったもの、贈り物にされたり、お金を受けて売ったものなど、海外搬出の経緯もさまざまだ。 幸い、文化財庁内に来月、海外文化財チームが新設され、政府レベルの現況把握・調査研究業務がある程度の体系を整えることになる。 しかし定員6人の組織では力不足であるだけに、民間団体・研究院との協調体制を構築し、白書からきちんと作成することを望む。 実際、外奎章閣図書も歴史学者のパク・ビョンソン博士がフランス国立図書館(BNF)で見つけていなければ、今日、故国の地を踏むことはできなかったはずだ。 昨年返還が決定され、日本国会の批准を待っている私たちの古書も、韓国海外典籍調査研究会・朝鮮王室儀軌環収委員会など民間団体の調査活動に大きく助けられた。


流出文化財環収は長期的・戦略的な接近が基本だ。 外交的な努力も並行されなければならない。 ユネスコ条約(1970年)、ソウル宣言(2008年)のような国家間の約束・宣言やギリシャ・ドイツ・イタリアなどの文化財返還交渉前例も徹底的に活用しなければならないだろう。 返還対象文化財が把握されれば、流出の経緯や所有主体によって政府間の交渉・寄贈・長期貸与・購入など、さまざまな方法を動員する必要がある。

今日から4回にわたり国内に戻ってくる外奎章閣図書297冊は、7月29日に開幕する「環収文化財特別展」で一般に公開される。 子どもたちにも先祖の誇らしい文化遺産と痛恨の‘被侵’の歴史を見せよう。 外奎章閣図書返還交渉過程でフランス国立図書館の司書が集団で反発し、国内世論の憤怒を買ったが、逆に考えればその司書の愛国心と‘文化財欲’こそが、私たちが学ぶべき点ではないだろうか。



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