茨城県近海で捕獲されたコウナゴから放射性ヨウ素とセシウムが検出されたことは、福島第一原子力発電所から排出された放射性物質の「生態系濃縮」が始まったことを意味する。「生物濃縮」(biomagnification)とも呼ばれる生態系濃縮は食物連鎖にしたがい生態系の上位になるほど体内の汚染物質の濃度が急激に高まる現象をいう。
まずコウナゴは汚染された海水で放射能を直接吸収したか、放射能に汚染されたプランクトンを食べて2次的に汚染された可能性もある。同様にコウナゴの対内にある放射性物質は分解されないため、コウナゴを食べる肉食性魚類にそのまま蓄積される。実際にノルウェーの研究チームが多様な海洋生物を調査した結果(環境放射線学会誌2003年掲載論文)、食物連鎖を通じて放射性物質のセシウム137が体内に蓄積されるという事実が確認された。食物連鎖の上層に位置するネズミイルカ体内の濃度は食物連鎖下層に位置した生物の端脚類(クラゲノミなど)に比べ10倍も高かった。
このように海洋生物の放射能汚染が懸念されながら現在日本から輸入される水産物の場合、国立水産物品質検査院で放射能を分析し選り分けている。だが、日本産水産物を使った高級日本食店は非常事態になった状態だ。朝鮮ホテルの日本食店「鮨朝」の場合、1週間前から日本産水産物の購入を全面中断した。
国立水産科学院のソ・ヨンサン水産海洋総合情報課長は、「韓半島周辺海域と海洋生物に対しては先月から調査をしており、韓国原子力安全技術院(KINS)などで10日ごろに初めての結果を発表するだろう」と話した。
食品医薬品安全庁も千葉県で生産される一部農産物に対する輸入を暫定中断することにした。これに伴い、韓国への輸入が遮断された日本の地域は先月25日の福島・茨城・栃木・群馬に続き5県に増えた。
一方、農林水産食品部は国内生産農産物39件と水産物19件に対し放射能検査を実施した結果、放射性物質のヨウ素・セシウムは検出されなかったと明らかにした。検査期間は先月29日から今月4日。国立農産物品質管理院と水産物品質検査院が検査を担当した。東海岸8市・郡と鬱陵島(ウルルンド)・済州島(チェジュド)で栽培されたホウレンソウ・サンチュなど農産物とサバ・タチウオ・ズワイガニ・イカなど国内産水産物7種が検査を受けた。農林水産食品部は太平洋沿岸操業国から輸入されたヌタウナギ・スケソウダラ・サバ・サンマなど主要魚種10件に対しても調査を進行中だ。
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