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放射性物質、地球を1周すれば人体には無害

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

28日に韓国原子力安全技術院の研究員が全国70カ所の測定所で測定した放射能データを点検している。



原子力技術院の発表に先立ち福島第一原発から出た放射性物質キセノンが23日に初めて江原道(カンウォンド)で検出された。北朝鮮の核実験監視のため東部戦線に設置された高性能放射能測定装置がこれをとらえた。この測定装置はキセノンだけ検出でき、同じ放射性物質のヨウ素131とセシウム137は明らかにすることができなかった。しかしキセノンが検出されればヨウ素とセシウムがほとんど一緒に検出されるため、すでにこれら2つの放射性物質の検出も予想されていた。ヨウ素とセシウムはソウルなど全国12地方の測定所で測定される可能性がある。

12日に福島第一原発建物内の水素爆発事故により漏出したヨウ素とセシウムなどの放射性物質は太平洋東側に移動し18日に米国西部で検出された。また、21日には大西洋を渡りアイスランドで、23~24日には欧州各地で検出されるなど、韓半島に向かって地球をひとまわりしている。気象庁では韓半島には31日か4月1日ごろにこれら放射能物質が到達すると予想した。だが、予想とは異なり原発事故発生から11日後の23日から韓半島で放射能物質のキセノンが検出されている。キセノンはこれまで気象庁が予想した経路とは違い、ロシア・カムチャツカ半島とアラスカなど北極地方で地球を短く1周した後、シベリアを経て韓半島に移動したものとKINSは説明した。KINSは今回測定されたキセノンの濃度は人体や環境には影響を及ぼさない極微量だと明らかにした。


翰林(ハンリム)大学産業医学科のチュ・ヨンス教授は、「今回検出されたキセノン濃度自体だけ見れば危険な水準ではない」としながらも、「原発の放射性物質が韓半島に飛んできたことを示す“警告灯”がついただけに監視を強化しなければならない」と指摘した。キセノン検出に続き放射性ヨウ素も確認され、これ以上韓半島が福島原発事故で漏出した放射性物質の安全地帯ではないということが確認された。これに伴い韓国政府も放射性物質が韓半島に接近することに対する監視を強化することにした。農林水産食品部は放射能安全管理迅速対応チームを構成し、日本から輸入される水産物と畜産物に対し詳細な調査を行うことにした。

一方、政府は28日に金滉植(キム・ファンシク)首相主宰で原子力委員会を開き、来月22日まで国内21カ所の原子力発電所すべてと研究用原子炉などに対し総体的な安全点検を実施することを決めた。点検の結果、精密診断が必要だと判断されれば該当する原発の稼動を中断させる方針だ。

◆キセノン(Xe)・セシウム(Cs)・ヨウ素(I)=キセノンは天然キセノン(Xe132など)と放射性キセノン(Xe133など)の2種類がある。キセノン133はウラン235の核分裂過程で直接生成されたり、ヨウ素133がガンマ線を放出する際に作られる人工物質だ。核爆発の有無を確認する指標物質で、北朝鮮の地下核実験を探知するのにも活用される。半減期は5.27日。原子炉から出るセシウム(Cs-137)は半減期が30年の放射性物質で、体内に入ると筋肉と肉に蓄積されがんを引き起こす。揮発性が強い物質のヨウ素(I-131)は半減期が8日で、体内に入ると甲状腺に蓄積され甲状腺がんを引き起こす。





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