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【時視各角】アマチュアリーダシップが呼んだ大混乱

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日本人の冷静さに世界が驚いている。だが、裏を読む力も必要だ。日本の新聞の社説はお行儀がよいことで有名だ。不満な感情を表情に出さない。しかしきのうの朝日新聞社説は「菅直人首相が東京電力に“覚悟してくれ”と叱責した。国民の立場から見ればその話はそのまま政府と首相自身に該当する」と正面から反論した。日本経済新聞の社説は「情報公開がとても遅れて説得力もない…責任者を福島に配置して生の情報をすぐに公開すべき」と促した。この程度ならば、一言で言えば日本の社会の底辺では沸き立っているとみなければならない。

怒りの最初の標的は東京電力の経営陣に向かっている。事故の隠蔽に汲々としたという疑惑を受けている。東京電力は福島原子力発電所2号機の給水ポンプの燃料をうっかり切らしたという呆れる失敗を犯した。「もっと危険な1号機と3号機に神経を使っていて…」と釈明するが苦しい弁明だ。一昨日は4号機に保管された使用済み核燃料の冷却水程度もまともに監視できていないことが明らかになった。人災としても話す言葉がなくなった。いま2号機と4号機が最悪の状態だ。

一時東京電力は日本最高の企業だった。経団連会長を務めたこともある。こうした会社が“失われた10年”以後連日物議を呼んでいる。代表理事(CEO)が能力より従順な後継者だけ選ぶということだ。社長→会長→名誉会長につながる地位への欲が敷かれている。この会社で「仕事ができれば常務、話をよく聞けば社長」といううわさが出回ったのは偶然ではない。よじれた支配構造は結局2002年に犯罪まで生んだ。福島原子力発電所の虚偽点検と亀裂を組織的に隠したのだ。


菅首相に向けられた視線も冷たくなっている。日本の最高指導者は危機が迫れば慎重に動くのが伝統だ。参謀らも「非常対策に忙しい実務陣に迷惑をかける」として現場に行くのを控える。菅首相は正反対に動いた。大地震が起きた翌日に「現場に行かなければならない」として福島第1原子力発電所を訪れた。首相を迎えなければならない現場実務者らは困惑していただろう。そして首相が離れた3時間後に1号機が最初の水素爆発を始めた。

日本国民の不満を買った「計画停電」も同じだ。当初は東京電力社長が明らかにする予定だった。日本のメディアによれば菅首相が「私が直接発表する」と固執し、予定より2時間遅れたという。以後国民の不便が大きくなるとすぐに状況は変わった。混乱の責任を東京電力にかぶせたのだ。日本のメディアもにらみ始めた。「低い支持率を引き上げようと大地震を政治的パフォーマンスに利用しているのではないか」と…。菅首相が大地震収拾のため2人の参謀を新しく起用したことも逆風を浴びている。1人は阪神大地震の時に反政府ビラをばらまいた社会運動家出身で、もう1人は津波に備えた大型防波堤建設を反対してきた人物だ。

じっと我慢していた日本国民もますます不便な様子だ。アマチュアリダーシップに対する不満もでてくるほかない。この記事を書いている16日午後6時現在、日本の新聞のサイトには福島原子力発電所で仕事をしていた労働者らの現場証言が後を絶たない。「大地震が起きると天井のパイプが落ち大量の水が漏れた」「すでに建物内部が深刻に破損した状態だ」…。日本政府と東京電力経営陣が事態を過小評価して初動対応に失敗したのではないかとの疑いを買っている。もはや日本の原子力発電所危機は最悪のシナリオまで排除できない追い詰められた状況だ。

このあたりで私たち自身を振り返ってみたいと思う。超大型危機がきても大丈夫だろうか。青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府は強力なリーダーシップを発揮するだろうか。天下りや持ち回り人事の公企業は優れた危機管理能力を見せるだろうか。韓国型原子力発電所の安全性より人から点検しなければならなくないだろうか。それでも私たちは信じる部分があって幸いだ。李明博(イ・ミョンバク)大統領が「私は能力を見て人を使う」としているので…。

イ・チョルホ論説委員



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