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李明博(イ・ミョンバク)大統領は昨年初めアラブ首長国連邦のアブダビ油田進出を目標にした。政府特別作業班を構成し直接陣頭指揮をした。しかし交渉序盤の見通しは明るくなかった。原油の話ばかり出したらアブダビ側の雰囲気は冷ややかになったという。韓国がグローバル石油メジャーらと競争することが“小人と巨人の戦い”だったためだ。
これを突破したのは李大統領の“個人プレー”だったというのが交渉チームの話だ。李大統領はカリファ・ビン・ザイド・アル・ナヒヤン大統領、ムハンマド皇太子と格別な仲だ。こうした親密さが作用して2009年末にアブダビと原子力発電所建設契約を締結することができた。
昨年5月にムハンマド皇太子が韓国を訪問した際、李大統領は「両国の真の協力は原油1滴も出ない韓国に油田開発に参加する機会を与えることが出発点」という考えを伝えた。これにムハンマド皇太子は、「大統領の親書を希望する」とした。李大統領は、「韓国は100年先を見据えたアブダビの経済協力パートナーであるだけに大きく考えてほしい」という内容の親書を送った。
李大統領はその後も随時親書を送った。“特使”の郭承俊(クァク・スンジュン)未来企画委員長を通じ伝えただけでも6~7回あった。双方の接触過程で2回ほど交渉が決裂しそうなこともあった。1~2週間前にもアブダビが「しない」という立場を見せたりもしたという。交渉に深く関与した未来委のパク・スミン企画総括局長は、「大統領の親書が伝えられる時ごとに雰囲気が変わり、結局は突破した」と話した。
李大統領はこの日の両国首脳会談後の記者会見で、「これまで007作戦のような特別チームを作って交渉した。メジャー会社らが署名する直前に知られていたら大変だったと思う」と振り返った。また、「特別にがんばってくれたカリファ大統領とムハンマド皇太子に深い感謝の言葉を差し上げる」とした。これにカリファ大統領は、「李大統領のおかげ」と述べ、ムハンマド皇太子は、「李大統領が関心を傾けなかったとすれば今日の両国関係はここまで発展していないだろう」と話したという。一方、カリファ大統領は李大統領が原子力発電所契約当時の首脳会談で、「ラクダ肉を食べたことがない」と話したことを覚えており、今回はラクダの肉を振る舞ったという。
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