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【コラム】日米のTPPに対応する戦略はあるのか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
最近、地域主義に対する世界主要国の関心が高まっている。 オバマ米政権は東アジアの地域主義形成に対応し、米国企業に有利な通商環境を構築するため「環太平洋パートナーシップ協定(TPP=Trans-Pacific Partnership)」加盟交渉を今年下半期に妥結するという立場だ。 日本の菅直人政権はTPPを第2の開国と見なし、6月末までに交渉参加を確定する予定だ。

米国と日本のTPP参加にはいくつかの共通点が見える。 まずは開放的な通商政策推進圧力を強く受けており、これの代案として選択したのがTPPという点だ。 新自由主義反対を主要政策路線に採択し、08年に大統領選挙で勝利したオバマ政権は、いくつかの処方を出したが経済実績が好転せず、市場重視政策に転換したのだ。 日本も閉鎖的な経済システムによる政治・経済的問題が少なからず存在し、後れていた地域主義参加を一挙にばん回するためにTPPを推進している。

一方、中国は東アジア経済統合議論ですでに主導的な位置を占めている。 最近になって中国はまた「ASEAN(東南アジア諸国連合)+3(韓日中)」形態の東アジア自由貿易協定(FTA)推進に力を入れている姿だ。 また、中国が韓国とのFTA推進に高い関心を見せているのは、既存の中・ASEAN間FTAに韓中FTAを追加することで、外形上、東アジアFTA、さらには地域経済統合を主導していこうという中長期戦略と深い関連性がある。


このように中国中心の東アジア地域主義が進展する場合、米国は自国の位置づけを憂慮するしかない。 日本の戦略的な配慮で米国は昨年からロシアとともに東アジア首脳会議に参加しているが、中国の浮上には影響を及ぼせずにいる。 日本もASEAN+6などを提案してけん制しているが、力不足だ。

こうした状況を見ると、中国の地域主義政策は今後、日米のTPP推進で相当な変数になると考えられる。 実際、日米政策担当者の間では、中国の浮上に対応すべきだという点がTPP推進の最も説得力ある要因になっている。 こうした中国の動きは今後、米国と日本のTPP推進動力として作用すると判断される。

最近また日米がTPP推進に大きな関心を見せていることで、国内でもTPP対応策を準備すべきだという指摘が出てきている。 最も効率的なTPP対応策は、年内にEU(欧州連合)および米国とのFTAを発効させ、FTA活用体制を構築することだろう。 特に米国とのFTAは高い経済効果のほか、韓米同盟および韓半島の安保強化に大きく寄与するため、早期履行が必要だ。 米政界で批准をめぐる議論が活発なこの時期を逃してはならない。 さらに韓中FTA、東アジア地域主義、TPPを一つの大きな枠組みの中で総合的に検討し、段階別の対応策を準備する必要がある。

最近、EUとのFTA協定文で見つかった誤字を過度に政治争点化し、韓米FTA協定文のハングル本に対する不当な疑惑を提起するなど、反市場勢力はFTA批准反対ムードを形成しようとしている。 1000ページを超える協定文の翻訳過程で発生しうる単純ミスを口実に協定全体を罵倒するような行為はすぐにやめなければならない。

鄭仁教(チョン・インギョ)韓国交渉学会会長(仁荷大経済学部教授)



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