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「(翻訳の誤りについて)問責することがあれば問責する。究極的な責任は私にある」。
金宗フン(キム・ジョンフン)通商交渉本部長が8日、頭を下げた。韓国・欧州連合(EU)自由貿易協定(FTA)協定文の韓国語翻訳本で、英文本と異なる表記・表現が見つかったからだ。
FTA関係者はこの日、記者懇談会を自ら要望し、「翻訳システムを改善する」と明らかにした。交渉では決して引かず‘剣闘士’と呼ばれた通商の首長の刃が「誤字」のために鈍ったのだ。金本部長は「ミスはミス」としながらも「軽重を考えて批判するべきではないか」と主張した。
約120人の人材で構成された通商交渉本部にこうした屈辱感を与えたのは一人の弁護士だ。民主社会のための弁護士会(民主弁護士会)所属のソン・キホ弁護士は先月末、韓・EU間FTA協定文ハングル翻訳本の誤りを指摘した。玩具類とワックス類が原産地と認められるための非原産地材料許容比率が英文本では50%となっているが、韓国語ではそれぞれ40%、20%となっていたのだ。FTAに批判的なソン弁護士は「原産地基準について関心がある品目をいくつか見たところ、理解し難い部分があり、これを英文と比較して誤りを発見した」と話した。
波紋が広がると民主党は批准同意案通過に制約を加え、結局、外交通商部は修正した翻訳本を国務会議に再上程して通過させた後、国会に提出した。しかしその後も誤りの指摘は続いた。ソン弁護士は6日、協定文翻訳文4カ所にさらに誤りがあると明らかにした。
韓国語では外国建築会社が国内で建築会社の資格を取得するための要件に「5年間の実務修習」という言葉が入っているが、英文にはこうした言葉がないということだ。また関税引き下げ日程を規定した欧州商品譲許表で冷凍果実のある品目が「砂糖100分の13超過を含む」となっているが、韓国語では「砂糖100分の13以下含む」と逆になっていた。また外交部はEUと外交公式書簡をやり取りする形でこれを修正することに合意した。
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