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【コラム】「ジャスミン革命」と漁夫送還

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
冷え込んでいる南北関係に北朝鮮漁夫送還問題が一つ加わった。2月初めに西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)を越えて漂流していた北朝鮮漁夫31人のうち、亡命の意思を表した4人を送還対象から除いたことで、北朝鮮が強く反発したのだ。北朝鮮は「反倫理的行為」などと言いながら、全員送還でないという理由で残り27人の送還を拒否している。南側に漂流した北朝鮮住民の部分送還は前例がなかったわけではない。にもかかわらず北朝鮮が「南北間の災い」に言及しながら、4人の漁夫を返してもらうために「可能な手段を総動員する」と述べている。

北朝鮮が4人の漁夫にこだわるのにはいくつかの意図があるようだ。まず中東の民主化革命で敏感になった北朝鮮が、漁夫の韓国亡命に対して過敏に反応しているのだ。北朝鮮は国境地域の携帯電話を取り締まり、外国人に貸与を禁止するなど、外部の情報の流入を遮断するために腐心している。対北朝鮮ビラ散布を理由にした「臨津閣(イムジンガク)照準射撃」脅迫も同じ脈絡だ。今回の漁夫の亡命を放置した場合、大規模な脱北事態につながることもあるという点で憂慮している。体制管理レベルで深刻に受け止めているのだ。北朝鮮政権が住民の動揺と体制の亀裂について、それだけ憂慮しているという傍証だ。

南北関係悪化の責任を韓国に転嫁しようという意図もある。1月の米中首脳会談で出てきた「南北関係の改善が重要で、誠意がある建設的な南北対話が必須」という注文通り、北朝鮮は「すべきことはした」という点を強調しているのだ。韓国に期待できないのなら中国に依存するしかなく、南北関係の改善に関係なく中国の対北朝鮮支援の拡大を正当化させようとしているのだ。実際、昨年10月以降、朝中貿易は前年比で2倍以上に急増した。


漁夫送還拒否事態は南北間の対話局面への転換が摸索される現在の状況と絡んで注目される。紆余曲折の末、先月初めに開催された軍事実務会談は、延坪島(ヨンピョンド)と天安(チョンアン)艦に対する謝罪の問題で決裂した。北朝鮮は本会談に行けばすべてが解決されると述べたが、謝罪する意思は当初からなかった。しかし南北対話なしには米国との対話も、6カ国協議も難しいため、また南北対話に出てくるしかない。したがって今回の反発は、天安艦謝罪要求のような韓国の会談先決条件レベルを低めようということだ。実際、北朝鮮の労働新聞は「南北間の災い」と警告した5日にも、李明博(イ・ミョンバク)大統領の三一節(独立運動記念日)記念演説と関連し、言葉ではなく行動で見せてほしいとして「条件のない対話」を要求した。

今回の北朝鮮漁夫事態をきっかけに対北朝鮮政策の推進方向を見直さなければならない。まず緊張緩和のために対話の必要性はあるが、北朝鮮の挑発防止は一次的に韓米同盟に基づいた強力な抑止力に基づかなければならない。米国の食糧支援検討意思と韓半島対話の雰囲気を北朝鮮が誤認し、漁夫事態を誇張させてはならないだろう。

韓国側も対話を模索するのなら、戦列を再整備して万全の準備をする必要がある。今回の事態のように北朝鮮に攻勢の口実を与えてはならない。対話の目標を明確にし、これに合った戦略を講じなければならない。もっと重要なのは、いかなる局面でも乱れることなく動けるように対北朝鮮政策のコントロールタワーと各部処の間で緊密な協力体制を構築することだ。

南北対話を始めるのは難しくないが、結果まで考慮すれば慎重になるしかない。高速道路は目的地に行ける速い方法だが、一度入れば次の出口までは抜けられない。途中に事故が発生して交通渋滞がないか、あらかじめ徹底的に確認しなければならない。確実でなければ、これまでの道をそのままもう少し進むのも方法だ。

崔鎮旭(チェ・ジンウク)統一研究院北朝鮮研究センター所長



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