北朝鮮の核保有に対応し、韓国も核兵器を保有すべきだという議論が活発に行われている。25日の国会の対政府質問で、鄭夢準(チョン・モンジュン)、鄭玉任(チョン・オクイム)議員は在韓米軍に戦術核兵器を再配置すべきだとし、趙舜衡(チョ・スンヒョン)、宋永仙(ソン・ヨンソン)議員は自主的に核兵器を開発すべきだと主張した。これと関連し、サモア大量破壊兵器(WMD)政策調整官は「韓国政府の公式要請がある場合、米政府は在韓米軍の戦術核兵器再配置に同意するはずだ」と発言し、注目を集めている。
北朝鮮が「核強国」であることを主張し、「核惨禍」などと脅威を与える発言を繰り返すなど、軍事的挑発の程度を高めている状況で、核保有の議論が出てくるのは自然な流れだ。しかし核兵器保有議論が無秩序に進行するのは望ましくない。結果的に私たちは、北朝鮮の非核化が達成されるまでは戦術核兵器を再配置すべきだという立場を支持する。
北朝鮮の金英春(キム・ヨンチュン)人民武力部長は先月、ゲーツ米国防長官に送った書簡で、「このままだと韓半島に核惨禍が起こる」と伝えた。核問題解決のために朝米が会って対話すべきだという点を強調するためだとしても、北朝鮮の核戦争脅威はこれが初めてではない。特に二度の核実験後からは緊張が高まる度に「核戦争」に言及してきた。
北朝鮮が本当に核戦争を起こすかどうかは分からない。その瞬間、北朝鮮は地図上から消える危険を覚悟しなければならないからだ。しかし最小限の核脅威を通して自国の要求を南側に強要しようとする意思があるのは明らかだ。「屈従による平和」を南側が受け入れろということだ。27日に北朝鮮が対北朝鮮ビラ散布などを問題にし、臨津閣(イムジンガク)攻撃に言及したのも同じ脈絡だ。こうした不純な意図を根元から封鎖するには韓国の核保有は避けられない選択だ。
そうだとしても、私たちがいわゆる「核主権論」を出しながら、核兵器を独自開発しようという主張は無責任だ。いくつかの強大国の核兵器保有だけを認める国際的な核非拡散体制は確固たる現実だ。一部で不公平な体制だという批判があるが、無分別な核拡散を抑制するためには避けられないという点を世界のほとんどすべての国が認めている。代表的な通常国家の韓国の立場でこうした現実を否定しながら核開発に乗り出すのは、得よりも損失が大きい。核開発に向かう瞬間、北朝鮮やイランのように各種制裁にぶつかることになる。
金滉植(キム・ファンシク)国務総理や金寛鎮(キム・グァンジン)国防長官は在韓米軍の戦術核再配置を要求する計画はないと明らかにした。しかし政府の立場を全面的に見直す必要がある。6カ国協議など北朝鮮の非核化のための外交努力は推進力が弱まった状態だ。特に北朝鮮は最終的に核保有国の地位を得ようとしていると疑われている。北朝鮮の核脅威を実質的に抑制し、非核化を強制する手段が切実だ。ちょうど米当局者の立場表明があるだけに、在韓米軍の核兵器再配置を政府が米国に公式要請しなければならない。
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