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24日午後4時。ソウル地下鉄市庁駅のプラットホーム。主婦のイム・ソンエさん(47)は1人の失踪女性を捜す広告から目が離せなかった。
韓服を着た女性は日本人の棚橋えり子さん(59)。韓流ファンで、1人で韓国を訪れたが、昨年1月1日に江原道江陵(カンウォンド・カンルン)で失踪した。
「韓国で失踪した日本人韓流ファンを捜しています」という広告には、棚橋さんの写真3枚とともに失踪当時の着衣や情報提供先などが書かれていた。
イムさんは、「新聞と放送で見た。大好きなリュ・シウォンを見に韓国に来たなら楽しい思い出だけ持って帰らなければならないのに残念だ」と話す。同じ時間に駅を歩いていた数十人の市民も足を止め広告をのぞき込んだ。
会社員のリュ・ヨンチャンさん(55)は、棚橋さんの写真を見ながら、「公益広告や複数の媒体を通じてもっとたくさん見せれば多くの人々が記憶し、見つけられるのではないか」と話した。
この広告は新規メディア開発会社の「フィンガータッチ」が1月から「デジタルビュー」を通じて無料で掲載している。本紙を通じて棚橋さんの失踪を知った同社のシン・ジョンホン代表(47)が無料での広告掲載を決めた。フィンガータッチが運営するデジタルビューは地下鉄駅のホームで地図とニュース、エンターテインメントなどの情報と、インターネット電話サービスを提供するデジタル情報システムだ。ソウル地下鉄1~4号線の117駅に900台が設置されており、一定時間手を触れずにいると自動で広告が表示される。棚橋さんの失踪広告は5分間隔で1回20秒ずつ、1日200回にわたり表示される。「いきさつを見る」というボタンをタッチすると失踪を伝える本紙の記事が見られる。
この2カ月間にわたり広告を掲載し、棚橋さんの行方についての情報提供も相次いだ。この事件を捜査している江南警察署にも10件余りの情報が入り、捜査が活気を帯びている。広告を掲載したフィンガータッチにも数十件の電話や電子メールがあった。同社のイ・ウォンイル理事は、「尋ね人のキャンペーンに対する激励と問い合わせが増えている。市民の関心が集まり、棚橋さんに早く元気な姿で帰ってきてほしい」と話している。デジタルビューでの広告は来月初めまで続く予定だ。
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