日本民主党が内部分裂を起こし始めた。直接的な原因は、09年8月末の政権交代を実現した当時に公表した児童手当など、いくつかの核心公約を廃棄しようとする現菅直人内閣に対抗し、民主党内で小沢派を中心に反対派が形成されたからだ。「公約を守らない民主党は自民党と変わらない」という声が党内から噴出し、さらには菅首相側の人たちも菅首相を批判している。鳩山前首相も「菅首相が民主党路線を壊した」と公開的に非難した。また公約廃棄に反対する民主党の国会議員16人が新会派発足を宣言し、菅首相退陣を圧力を加え始めた。
日本国民は07年の安部元首相の退陣から始まった日本首相の1年足らずの退陣現象が菅首相まで続くのかと、不安に思いながら事態を見守っている。当然、内閣支持率は20%以下に落ちた。民主党政権は発足から1年半ほどしか経っていないが、崩壊の兆しが表れているのだ。菅首相を批判する背後人物とされる小沢元代表は公然と菅首相を批判している。小沢氏が民主党内の小沢派と自民党・みんなの党などを連帯させ、政界を改編するというシナリオを稼働したといううわさまで流れている。ところが金銭スキャンダルがある小沢氏に対する国民の視線は冷たい。結局、民主党内部の対立は、民主党政権が民心から遠ざかるしかない原因を提供したのだ。
菅首相自身は「絶対に辞任しない」と話している。実際、今は目の前に近づく選挙がないため、菅首相としては民主党が勝てないなら首相が代わるべきという大義名分を立てにくい時期でもある。また菅首相が衆議院を解散して総選挙を実施する可能性もほとんどない。そうすれば、現在の民主党としては政権を奪われることが明らかであるからだ。
こうした状況で菅首相としては、退陣を引き延ばしながら支持率の上昇を狙う作戦に進むしかない。しかし支持率が上昇する可能性は低い。政権を民主党に渡す前に自民党の麻生太郎元首相が使った作戦を現在の菅首相が繰り返す格好だが、結果的に麻生政権は総選挙で大敗した。結局、現在の日本政府は外交や民生問題に関心を向けず、党内の対立で国民の支持率を低下させる最悪の段階に入った。
3月末には独島(ドクト、日本名・竹島)を日本領土と記述した中学校社会科教科書が検定を通過する予定だが、政府・与党がこうした状況なら、検定問題は実務陣に任せる可能性が高い。したがって過激な表現を使って独島領有権を主張する教科書が次々と検定を通過することも考えられる。日本政府が役割を果たせない状況で、私たちは韓日関係が後退する現実に接することになるかもしれない。現在としては韓国政府・国民が日本民主党が外交的機能を十分に発揮できないという事実を確実に認識し、教科書問題に適切に対処しなければならない。
保坂祐二世宗大教授・日本学
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