先月２５日に北朝鮮の金英春（キム・ヨンチュン）人民武力部長がゲーツ米国防長官に朝米高官級軍事会談を電撃提案したが、米国が最近、これを拒否したことが明らかになり、その波紋が注目される。北朝鮮が長距離ミサイル発射や３度目の核実験、対南追加挑発をする可能性もあるからだ。北朝鮮は対米会談提案の６日前、同級の対南会議を提案して実現した南北軍事実務会談（８－９日）では、会談場を蹴って出て行った。

北朝鮮の提案は議題や形式などの多くの点で異例だ。議題には西海（ソヘ、黄海）上の北方限界線（ＮＬＬ）問題と韓半島の非核化、北朝鮮内の米軍遺骨発掘を出した。外交安保当局者は「韓半島の非核化や北朝鮮内の米軍遺骨発掘など米国の関心事を含めることで、対話実現に向けたそれなりのジェスチャーを見せたが、米国は『応じない』という回答をした」と伝えた。

この当局者は「６カ国協議であれ朝米対話であれ、『ソウルを経てから行うべき』という米国の確固たる原則がある」とし「ＮＬＬ議題は南北間で議論する問題であり、朝米間に話すことではない」と述べた。非核化を議題に含めたのは朝米核軍縮会談に持ち込もうという意図と考えられる。


米国側は北朝鮮の誠意を疑った可能性が高い。北朝鮮内の米軍遺骨発掘に関し、政府関係者は「遺骨発掘は安保問題と関係がない人道的なものであり、朝米間に別途に議論されている」とし「軍事会談テーブルに上げて遺骨発掘で外貨稼ぎをしようという考えのようだ」と述べた。

北朝鮮が金英春人民武力部長の名前で北京の北朝鮮大使館を通して米側にメッセージを送った点も注目される。朝米ニューヨークチャンネルをう回したのは、新しい対話の通路を作ろうという試みと考えられる。北朝鮮の池在竜（チ・ジェリョン）中国大使は張成沢（チャン・ソンテク）国防委副委員長の側近だ。

米国は１５日にゲーツ長官が「ノー」と答えるまで、北朝鮮の提案を２０余日間も置いていた。北朝鮮の態度を試したということだ。しかし米国は南北軍事実務会談が決裂するのを見て、拒否の立場を決めたとみられる。



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